【パネルセッション】 世界市場におけるドローンソリューションの可能性とビジネスモデル

【パネルセッション】 世界市場におけるドローンソリューションの可能性とビジネスモデル

日本、アジア、北米、欧州など世界のドローン産業の可能性とビジネスモデルの将来について、各国を代表するパネリストが、それぞれの立場から意見を述べた。


世界のドローンビジネスを牽引するパネリストが登場

 ブルーイノベーション株式会社の熊田貴之 代表取締役社長がモデレータとなったパネルセッションには、米プレシジョン・ホーク社のマット・コールマン副社長に、仏デルエア・テック社のベンジャミン・ベンハロシュ共同創設者と、中シンセンJJTテクノロジー社のジェームス・ジーアン氏が登壇した。セッションの冒頭では、各自が会社の紹介とビジネスモデルを説明した。
 米プレシジョン・ホーク社は、日本からもドコモやヤマハなどが出資しているベンチャー企業。ドローンで計測したデータをクラウドにのせて分析し、答えを導き出すソリューション事業を展開している。米国をはじめとして世界6カ国で事業を展開し、約200名のスタッフが活動している。
 仏デルエア・テック社も、プロフェッショナル向けのドローンソリューションを提供する企業。2時間以上の長時間飛行が可能な固定翼機を開発し、農業や交通や電力にオイルやガス、資源探査やセキュリティなどの分野にソリューションを提供している。その事業は80カ国におよび、約100名のスタッフがグローバルで活動している。
 中シンセンJJTテクノロジー社は、自社でマルチコプターやビデオカメラにフライトコントローラーなどを製作し、軍や警察や民間企業にソリューションを提供している。また昨年の夏には、オーストラリアで海難事故を予防するために、救命胴衣やスピーカーを搭載したドローンを飛行させている。

各社のビジネスがグローバルで成功している理由とは

 会社の紹介に続いて、モデレーターの熊田氏から3社に、各国で何故ドローンによるビジネスを成功しているのか質問した。
 米プレシジョン・ホーク社のマット・コールマン氏は「優秀なスタッフの存在と、NTTやヤマハにDJIやzerotechなどとの緊密なパートナーシップ」の2つが、大きな成功の要因だと分析する。
 また仏デルエア・テック社のベンジャミン・ベンハロシュ氏は「創業当時の欧州はUAVの規制が緩かったことと、優れたプロダクト」がビジネスを拡大できた理由だと話す。
 そして中シンセンJJTテクノロジー社のジェームス・ジーアン氏は「コアテクノロジーと顧客をサポートするためのクオリテイマネジメントにITイクイップメントが重要」だと語る。
 一方、ビジネスにおける課題については、「米国での規制が厳しくて、創業当時はニュージーランドやオーストラリアなどの海外で実証実験を行うことになり、コストがかかった」とコールマン氏は振り返る。また ベンハロシュ氏は「テクノロジーの進化やマーケットのスピードが速く、追随していくこと」が大変だと分析する。そして ジーアン氏は「国や市場ごとに構成する商品が異なるので、新たな市場に進出するリスクが大きい」と話す。
 最後に、グローバルで活躍する3名に世界市場と日本市場の比較や可能性を熊田氏が質問した。コールマン氏は「日本と米国は、規制や市場ニーズなどの面で似ている。市場としては、農業やインフラ点検にモニタリングなどのニーズが高い」と指摘する。 ベンハロシュ氏も「コールマン氏の意見と同様で、日本にはヤマハのような成功例もある。ただ、規制が多いと感じている」という。そしてジーアン氏は「我々が注力しているのは、パブリックセキュリティマネジメントの分野。日本はインスペクションや農業などの市場が期待できる。グローバルではコンストラクションの分野、中でもアジアの成長スピートの速さには注目している」と語った。
 熊田氏は「本日はパネリストの方々から、日本には素晴らしい技術があり、まだまだ成長の可能性がある、という心強いメッセージをいただきました」と締めくくった。

左から、ブルーイノベーション株式会社の熊田貴之 代表取締役社長、米プレシジョン・ホーク社のマット・コールマン副社長、仏デルエア・テック社のベンジャミン・ベンハロシュ共同創設者、中シンセンJJTテクノロジー社のジェームス・ジーアン氏

この記事のライター

関連する投稿


オフィス内ドローン「T-FREND」来年4月サービス開始を発表 大成、ブルーイノベーション、NTT東日本

オフィス内ドローン「T-FREND」来年4月サービス開始を発表 大成、ブルーイノベーション、NTT東日本

 ビル管理の大成株式会社、ドローン技術開発のブルーイノベーション株式会社、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)千葉事業部は、12月7日、GPS信号が届かないオフィス内を自動で巡回する屋内ドローンで社員の健康管理やセキュリティー強化に活用するサービス「T-FREND」を4月に導入すると発表し、デモフライトを披露した。


「もばらドローンEXPO2017」盛況! 講演に拍手、デモフライトに歓声、体験会に行列

「もばらドローンEXPO2017」盛況! 講演に拍手、デモフライトに歓声、体験会に行列

 ドローンの活用を模索する千葉県茂原市は11月25日、市内のショッピングセンターで「もばらドローンEXPO2017」を開催した。業界団体、企業、スクール各界第一人者による講演のほか、ドローンの飛行披露、体験飛行などが行われ、会場を盛り上げた。


長野・伊那市での物流用ドローンポート実験 飛行中の「異常感知」で今回は続行断念

長野・伊那市での物流用ドローンポート実験 飛行中の「異常感知」で今回は続行断念

 ブルーイノベーションと東京大学が11月13日に行った物流用ドローンポート実験で、ドローンが実験中に異常を感知し飛行を中止した。実験チームはこれを受けて実験継続を断念した。日程を再調整し仕切り直す。実験機は異常感知時に自動でパラシュートを開き、着水時にはフロートも作動。初めて実験環境以外で安全装置の発動を確認した。


クラウドによる遠隔操作に対応した物流用ドローンポートシステムの検証実験

クラウドによる遠隔操作に対応した物流用ドローンポートシステムの検証実験

国土交通省の総合政策局物流政策課 技術政策課とブルーイノベーション株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:熊田貴之)は、長野県伊那市長谷地区にある道の駅南アルプスむら長谷と長谷高齢者専用住宅で、物流用ドローンポートシステムの検証実験を9月6日、実施した。


ブルーイノベーションと日水コンがドローンによる老朽下水管の点検・調査の試行サービスを横浜市で今秋開始

ブルーイノベーションと日水コンがドローンによる老朽下水管の点検・調査の試行サービスを横浜市で今秋開始

ブルーイノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長CEO:熊田貴之 )と株式会社日水コン(東京都新宿区、代表取締役社長:野村喜一)は、国内初となる、「ドローンによる老朽下水管きょの点検・調査」試行サービスを今秋からスタートすると発表した。


最新の投稿


KDDIが国内初の「空飛ぶ基地局」の実証実験に成功

KDDIが国内初の「空飛ぶ基地局」の実証実験に成功

KDDI株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:田中孝司)は、株式会社KDDI総合研究所と「無人航空機型基地局 (ドローン基地局)、以下ドローン基地局」を開発し、実証実験に成功したと発表した。


ドローンで撮影した画像を3D化するクラウドサービス「くみき」を12月18日リリース

ドローンで撮影した画像を3D化するクラウドサービス「くみき」を12月18日リリース

株式会社スカイマティクスは、 ドローンで撮影した画像を3D化するための専用クラウドサービス「くみき」の提供を12月18日より開始する。


+Style、ラジコンカーとしても遊べるドローン「PETRONE」を販売開始

+Style、ラジコンカーとしても遊べるドローン「PETRONE」を販売開始

ソフトバンク コマース&サービス株式会社は、アイデアや試作中の製品を商品化に向けて支援する消費者参加型プラットフォーム「+Style(プラススタイル)」の「ショッピング」で、ラジコンカーとしても遊べるドローン「PETRONE(ペットローン)」を販売します。


スカイシーカーが福島県葛尾村にてドローンによるイノシシの生態調査を開始

スカイシーカーが福島県葛尾村にてドローンによるイノシシの生態調査を開始

(株)スカイシーカーは(株)アルサと共同で12月13日より福島県葛尾村にてドローンによるイノシシの生態調査を開始した。


NTT-ATシステムズとiROBOTICSがレスキュー支援システムの共同研究を開始

NTT-ATシステムズとiROBOTICSがレスキュー支援システムの共同研究を開始

NTT-ATシステムズ株式会社(NTT-ATシステムズ)と株式会社アイ・ロボティクス(東京都新宿区)は、 ドローンを活用したレスキュー支援システムの共同研究を開始すると発表した。