建築学会が「第1回建築ドローンシンポ」 国の動向、民間の事例など報告

建築学会が「第1回建築ドローンシンポ」 国の動向、民間の事例など報告

 一般社団法人日本建築学会材料施工委員会耐久・保全委員会は5月18日、「第1回建築ドローンシポジウム 建築×ドローン2017」を建築会館ホールで開催した。当日は立ち見が出るほどに観覧者がつめかけ、関心の高さを伺わせた。


建築の現場にドローンを活用するテーマに会場は満席となった=18日、東京・港区芝の建築会館

 シンポジウムは、建築業界では住宅ストックの増加、建築物の老朽化と課題が増え続けているにもかかわらず、維持管理予算の削減、人材不足などに直面していることから、打開策としてドローンに期待が寄せられていることを背景に、ドローン活用の可能性を見出す場として開催された。
 国土交通省国土技術政策総合研究所の眞方山(まかたやま)美穂氏は、国交省が2015年以降、ドローンの活用を盛り込んだアイ・コンストラクション(i―Construction)を提唱し続けている背景に、生産性が高める必要性が高まっていると指摘。外壁調査などでは精度、コスト、速度、記録などの面から、ドローンの活用に機体が高まったと背景を説明した。また、平成29年度中に「ドローンを使った非接触式と呼ばれる診断方法を検討し、指針をまとめる」と述べた。
 国立研究開発法人建築研究所の宮内博之主任研究員は、老朽化した住宅の増加で点検の必要性が高まっていることを背景に、点検合理化を検討する一貫として、建築学会内に「UAVを活用した建築保全技術開発ワーキンググループ」を設置したと紹介。DJIのファントム(Phantom)4や自律制御システム研究所(ACSL)の「MS―06LA」などのドローンを使って、集合住宅の外壁調査に取り組んだ様子を動画で説明し、「活用には法的、技術的に解決すべき課題がある」とまとめた。
 三信建材工業代表取締役の石田敦則氏は、衛生利用測位システム(GPS)に頼らない非GPS環境でドローンを活用したインフラ点検に取り組んでいることを報告。ACSLが開発した、非GPS環境下で自律航行を可能にする技術、SLAMを使い、橋梁のひび割れを確認した事例を紹介した。
 このほか、企業の事例、大学の研究成果などが続き、多くの参加者が熱心に聞き入っていた。

打音検査、直接目視が基本となっている建造物の外壁検査に、ドローンを使った非接触式導入を検討し、指針をまとめると話す国土交通省国土技術政策総合研究所の眞方山(まかたやま)美穂氏。

建築の分野におけるドローン活用の先駆者として、特に非GPS環境下での現場の実際を紹介する三信建材工業代表取締役の石田敦則氏

建築会館入り口に置かれた自律制御システム研究所が開発したACSL PF-1。シンポジウム参加者の注目を集めた。

この記事のライター

関連するキーワード


日本建築学会 シンポジウム

関連する投稿


キーマンが講演 国際航業など「ドローン活用シンポジウム」を福岡で開催 5月11日、入場無料

キーマンが講演 国際航業など「ドローン活用シンポジウム」を福岡で開催 5月11日、入場無料

 地理空間情報技術サービス大手の国際航業株式会社(東京)とドローン空撮などのクリエイター集団で構成する一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA、京都市)が、5月11日、福岡市で、「ドローン活用シンポジウムin九州」を開く。ドローン産業、行政のキーマンが最新情勢などを講演する。入場無料。事前申し込みが必要。


日本建築学会が第1回建築ドローンシンポジウム「建築×ドローン2017」を5月18日に開催

日本建築学会が第1回建築ドローンシンポジウム「建築×ドローン2017」を5月18日に開催

日本建築学会では建築分野でのドローンの活用を促進させるため、建築に携わる関係者がドローン技術の現状と課題を把握できるプラットフォームを作ることが必要であると考え、第1回建築ドローンシンポジウム「建築×ドローン2017」を企画した。


最新の投稿


「KDDI IoTクラウド ~ドローンパッケージ~」の提供を開始

「KDDI IoTクラウド ~ドローンパッケージ~」の提供を開始

KDDIは、2017年10月16日より、ドローンビジネスをはじめる法人向けに、機体や損害保険の提供、飛行許可申請サポートといった導入時点で必要となるサービスから、運航管理システムなどを含めた運用サービスまで、ドローンビジネスをフルサポートするパッケージサービス「KDDI IoTクラウド ~ドローンパッケージ~を提供する


エス・エス・ドローン、〝無振動エンジン〟のハイブリッドドローン試作機を展示

エス・エス・ドローン、〝無振動エンジン〟のハイブリッドドローン試作機を展示

 強靱で使いやすい機体の提供を掲げる国産ドローンメーカー、エス・エス・ドローン株式会社(群馬県高崎市)が、千葉・幕張メッセで開かれた「農業ワールド2017」の「国際次世代農業EXPO」で、電動とハイブリッドのドローンを展示した。ハブリッド機は試作機だが、マグネシウム合金のボディが来場者の目を引いていた。


エンルートの5L機フルモデルチェンジ、TEADの多彩なドローン活用など〜「第4回 次世代農業EXPO」

エンルートの5L機フルモデルチェンジ、TEADの多彩なドローン活用など〜「第4回 次世代農業EXPO」

先進技術で農業を強くする「第4回 次世代農業EXPO」が、10月11日〜13日に幕張メッセで開かれた。今年はドローン関連出展社も多く、農薬散布はもとより、精密農業に関する出展も目立ってきた。積極的にドローンを活用する動きが広く定着してきたということで、今回はまだ記事化しきれてないものを紹介する。


〝ジドコン〟が都内で説明会 約20社が参加 「自動車からドローンまでの安全教育を」

〝ジドコン〟が都内で説明会 約20社が参加 「自動車からドローンまでの安全教育を」

 自動車学校のドローンスクール化を推進する「全国自動車学校ドローンコンソーシアム」(ジドコン)が、東京・秋葉原で自動車学校向けの説明会を開き、約20の自動車学校が参加した。趣旨に賛同する自動車学校は今後、ドローンの技能認証の取得、講師講習の受講などの手続きを進める。早ければ年明けにも加盟スクールが誕生する見込みだ。


ドローンとAIで北極熊やクジラの生態研究をサポートするインテル

ドローンとAIで北極熊やクジラの生態研究をサポートするインテル

米国インテルは、科学者や専門家と提携し、ドローンと人工知能(AI)を活用して、北極熊やクジラなどの野生生物の生態研究をサポートしている。