特集・ドローンの『ド』〜これからはじめるドローン(2)  飛ばすだけなら5分で習得できる

特集・ドローンの『ド』〜これからはじめるドローン(2)  飛ばすだけなら5分で習得できる

1万円から6万円台の入門用ドローンの種類がわかったところで、基本的な飛行方法について紹介しよう。ドローンがホビーからビジネスでの利活用まで注目されている理由は、「簡単に飛ばせる」ことに尽きる。模型飛行機やラジコンヘリとは違い、初心者でもすぐに飛ばせる手軽さが、ドローンの最大の魅力だ。


基本の操作は5分もかからずに習得できる

 4つのプロペラを使って浮上するドローンは、翼で浮力を得る模型飛行機や、大きなプロペラと回転を抑止する補助プロペラを組み合わせたヘリコプターに比べると、驚くほど簡単に操縦できる。最近では、1万円台のトイドローンでも「離陸」ボタンを押すだけでフワリと飛び上がり、一定の高さでホバリングする。あとはコントローラーのスティックを倒して、前後左右や上昇下降に回転などの操縦を行えばいい。ドローンの操縦には、ラジコンの操作に準拠したモード1と、国際標準でゲーム機のコントローラーに近いモード2という規格がある。これからドローンを始める入門者には、モード2の操作がおススメだ。このモード2では、右側のスティックを奥に倒すと前進し、手前に倒すと後退する。右に倒せば右に、左に倒せば左に移動する。スティックの倒す方向とドローンの移動が連動しているので、実際に操作してみると直感的に「動かしたい方向に機体を飛ばせる」と感じる。カメラの向きなどを意識しなくていいのであれば、基本的にはモード2の右スティックだけで、ドローンを好きな場所に移動できる。あとは、左スティックを奥と手前に倒して上昇と下降を指示すればいい。これだけの操作であれば、たぶん5分もかからずに習得できるだろう。

モード2規格のコントローラーならば、ゲーム機の感覚でドローンを簡単に操作できる

 ただし、空撮などでドローンの「向き」をコントロールしようとすると、左スティックを左右に倒して機体を回転させなければならない。この機体の回転が、ドローンの初心者が最初に戸惑う操作になる。自分の立ち位置に対してドローンの機体が回転してしまうと、右スティックの前後左右の感覚がズレる。例えば、ドローンを右方向に90度回転させた状態で、「前進」させたいと思って右スティックを前に倒すと、機体は自分から見たら右方向に進んでしまう。混乱しないためには、自分がドローンに搭乗しているような感覚で、カメラの向いた方向を常に「前方」と意識して操作する必要がある。ラジコンの操作に慣れている人たちは、この感覚が優れている。またドローンレースなどに参加しているレーサーたちは、ドローンのカメラが映した映像を頼りに操作する。それが、FPV(飛行視点映像)による操縦になる。ただし、屋外でFPVによる飛行は、基本的には禁止されている。現在の法律では、屋外では特別な許可がない限りは、日中の目視による飛行が義務付けられている。そのため、機体の回転を含めたドローンの操作となると、ある程度の練習が必要になる。

ドローンの操縦で難しいのは、機体が90度や180度に回転したとき。右スティックの前後左右の感覚がずれるので、頭で補正する必要がある。

飛行の簡単さはドローンの価格に比例する

 屋外でのFPVによる飛行は禁止されているが、空撮を楽しむために開発された高性能なドローンでは、カメラが撮影している映像を手元のスマートフォンやタブレットにリアルタイムで表示できる。そのため、目視でドローンを確認しつつも、カメラの映像で機体の向きを意識しながら操作できる。こうしたFPV風の機能は、低価格なトイドローンでも装備している製品がある。しかし、実際に飛ばしてみると、機体の安定性や映像の見易さなどの点から、高性能なドローンほど「簡単」だと感じる。つまり飛行の容易さは、ドローンの性能(=価格)に比例する。価格の高いドローンほど、プロペラもモーターも高性能で、姿勢を制御するための半導体製品やコントローラーのスティックにも高価な部品が使われている。その結果、飛行が安定しているだけではなく、スティック操作にも的確に反応するので飛ばしやすい。またバッテリーも高性能なので、一回の飛行時間も長くて墜落する心配が減り、落ち着いて操作できる。そして各種の安全策が施されているので、操作を誤っても大きな事故に至る心配も少ない。もちろん、高性能になる分だけ価格は高くなり、用途もホビーからセミプロ空撮へと発展する。そんな高性能な空撮用ドローンの中で、世界的に高いシェアを維持しているのが、DJI社の製品になる。セルフィドローンのSparkをはじめとして、上位版になるMavic Pro、障害物の検知能力が高いPhantomシリーズ、さらにプロフェッショナルな空撮にも利用できるInspireシリーズなどのラインナップが揃っている。これらの製品ラインナップの違いを理解すると、自分の空撮用途に合った一台を選べる。そこで次回は、DJIの空撮用ドローンの機種選びについて案内していく。

ホビーから産業用まで豊富な製品ラインナップを取り揃えるDJI社のドローン。

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ドローン入門 DJI モード2

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