特集・ドローンの『ド』〜これからはじめるドローン(3)  DJIの製品ラインナップで空撮を学ぶ

特集・ドローンの『ド』〜これからはじめるドローン(3)  DJIの製品ラインナップで空撮を学ぶ

ドローンによる空撮を楽しむには、カメラの性能から機種を選ぶ方法がある。今回はDJIの製品ラインナップを比較して、自分の目的に合ったドローンを選ぶヒントを提供しよう。


DJIの4製品をカメラ性能で比較する


 まずDJIの4製品となる、Spark、Maciv Pro、Phantom 4 Pro、そしてInspire 2の機体とカメラ性能を比較してみよう。

Spark 
センサー 1/2.3インチCMOS  有効画素数: 1,200万画素
最大静止画サイズ 3968×2976 
動画解像度 FHD: 1920×1080 30p
ジンバル 2軸 ピッチ: -85~0°

Mavic Pro
センサー 1/2.3インチCMOS 有効画素数:1,235万画素
最大静止画サイズ 4000 x 3000
動画解像度 DCI4K: 4096×2160 24p
ジンバル 3軸 ピッチ: -90〜+30°

Phantom 4 Pro
センサー 1インチCMOS 有効画素数:2,000万画素
最大静止画サイズ 3:2:5472×3648
動画解像度 C4K:4096×2160 24/25/30p @100Mbps
ジンバル 3軸 ピッチ:-90 ~ +30°

Inspire 2
センサー 4/3インチCMOS 有効画素数:2,080万画素
最大静止画サイズ 4:3:5280×3956
動画解像度 C4K: 4096×2160 23.976/24/25/29.97/47.95/50/59.94p @100Mbps
ジンバル チルト:+50°~-140°、パン:±330°、ロール:+90°~+30°

 実際のデータは、もっと詳しく分かれるのだが、ここでは違いをわかりやすくするために、単純な値を抜き出している。その数字を比べてもらうと明確だが、最大静止画サイズや動画の解像度などは、製品のグレードに合わせて高性能になっている。4製品の中で、カメラの性能だけを比較すると、SparkとMavic Proには大差がない。しかし、空撮用ドローンの性能は、撮影するカメラだけではなく、ジンバルと呼ばれるカメラを支える軸の数と性能にも注目しなければならない。ジンバルの軸は、カメラを動かせる方向に影響する。2軸のジンバルではカメラを縦方向にしか動かせない。3軸になると横方向の動き、いわゆるパンというカメラワークが可能になる。またセンサーの性能に大きな差がなくても、撮影した画像データを処理する半導体による解像度の差も出る。例えば、SparkはフルHD動画まで記録できるが、Maciv Proは4K動画にも対応している。このあたりが、見えない差となって価格に反映されている。さらにMavic ProとPhantom 4 Proを比較すると、センサーの画素数も違えば、撮影できる4K動画のフォーマットやフレーム数にも違いがある。もしも空撮した静止画や動画を「商品」にしたいと考えているのであれば、最低でもPhantom 4 Proのカメラ性能は必要になる。それでも、Inspire 2と比べると違いはさらに明確だ。Inspire 2では、ドローンの機体とカメラが別売りになっている。そのため、Inspire 2で空撮するためには、機体価格 + Zenmuse X5S(248,000円)などのカメラも購入しなければならない。別売りになっているだけあって、高性能なカメラを利用できるので、撮影できる静止画も動画もプロフェッショナル向けになる。テレビやCMなどのドローンによる空撮映像の多くで、旧モデルのInspire 1や最新モデルとなるInspire 2が使われている理由は、カメラの性能が重視されているからだ。

どこまで必要で何に投資するかを見極める

 高ければ性能がいい、というのは当たり前。はじめてのドローン選びで重要なポイントは、自分の用途に合ったコストパフォーマンスの良い一台を見極めること。例えば、4K動画が撮影できる高性能なドローンを手に入れても、手元に4K動画を編集できるPCやソフトがなければ、実際にはフルHD動画で十分となる。また、高性能なドローンは安定した飛行のために機体もプロペラも大きくなっている。そのため、手軽な持ち歩きは難しい。そして、趣味として楽しむのか、将来的には仕事にも活かしていきたいのかで、投資の幅も変わる。こうしたポイントを総合的に評価すると、DJI社の4製品の中で入門者にお推めなのは、やはりSparkになる。カメラやジンバルの性能は、上位3モデルに比べると劣るが、自撮りから簡単な空撮までならば、Sparkで十分に楽しめる。小型で軽量なので、旅先にも手軽に持ち運べる。Sparkにも、別売りのコントローラーが用意されているので、自撮り以外の空撮にも活用できる。Sparkで空撮ドローンの基本を覚えて、さらに興味が沸いてきたときに、Phantom 4 ProやInspire 2などの本格的な機体を手に入れるのもいいだろう。また、もう少し予算があって、最初から自分なりの空撮「作品」を撮りたいと考えている人には、Mavic Proがベストチョイスといえる。

 ところで、ドローンの中には100万円を超える高額な機体もある。DJI製品の中でも、本格的な空撮で使われているMatrice 600シリーズになると、本体とジンバルにオプションなどを組み合わせると、100万円を越える投資が必要になる。入門用ドローンとは別に、産業用途のドローンでは100万円から300万円ほどの価格帯が中心だ。次回はそんな100万越えのドローンについて考察していく。

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