<産経女子特区・その2>可能性秘めた空飛ぶ“あの子”

<産経女子特区・その2>可能性秘めた空飛ぶ“あの子”

産経女子特区では、産経新聞東京本社に所属する女性記者が中心となり、さまざまなテーマを追いかける。今回は女性記者が最新ドローンを体験ルポした。


体験会で“ハイテクの塊”実感

 さまざまな場面で活用が期待されるドローンを理解するには自ら操縦してみることが何よりだろう。ドローンの販売代理店が開催する無料体験会に参加すべく、横浜市金沢区にある「SEKIDO-DJI横浜ベイサイド店」に併設されたグラウンドを訪れた。

 ドローンを飛ばすには許可申請が必要な場所が多く、加えて申請時には10時間以上のフライト経験が必要になる。ここでは、誰でも参加できる無料体験会を月1回開催しているほか、メーカー公認の技能資格認定試験も行われている。購入した愛機を持ち込んでフライト練習をする人たちも多い。利用者の1~2割が女性という。

 操縦体験をさせてもらったのは、空撮用ドローンで世界的なシェアを誇るDJI(中国)の「Phantom(ファントム)」シリーズ。実際に操縦して難しいと感じたのが、機首が旋回した際の左右の指示の出し方だ。通常の操作は機首を正面とし、前後左右の指示を出す。機首と操縦者が同じ方向を見て進んでいる場合はよいが、対向状態になると、操縦者にとっての左右と機首にとっての左右が逆転。機体を右に動かそうとしながら、つい左の指示を出してしまう。
 DJIのドローンを扱う正規販売代理店、SEKIDO(東京都国立市)の大岡聡さんは「初心者が一番混乱しやすいポイント。予期せぬ方向に進んだ結果、トラブルにつながる原因にもなる」と指摘する。

 飛行モードは多様で、機体を旋回させながらでも一定方向へ進み続けるように設定することもできるという。ほかには衝突回避システム、画像認識で対象物を追いかける自律飛行機能などを搭載した機体もある。

 4Kカメラを標準搭載したシリーズの登場や、画像処理ソフトも向上したことで、企業のパンフレットや広告など、これまで高額な撮影費用をかけていた空撮映像や写真が手軽に撮れるようになった。

 体験を通じ最新のドローンがハイテクの塊であり、高レベルで安全性が確保されていることが分かった。大岡さんは「数千万円する産業用無人ヘリに比べ、ドローンは数十万円台と価格も手ごろ。今後は農薬散布など農業分野での活躍も期待できる」と話した。

政府の新成長戦略に「ドローン配送」

 政府が5月にまとめた新たな成長戦略の素案には、ドローンによる荷物配送が盛り込まれた。それによると、来年度からドローンによる荷物配送を離島や山間部などで実施。2020年代には人口密度の高い都市部でも本格化させるとしている。物流コストの大幅減とともに物流業界の人手不足にも対応するのが狙いという。
 政府は8月、ドローンによる物流や災害現場などでの活用を促進するため、長距離飛行を可能とする法整備の方針も発表した。平成27年施行の改正航空法では、ドローンが操縦者の目視から外れた経路をとる場合、国交省の事前承認がなければ飛行できない。
 また承認基準を定めた「審査要領」には実際に飛行する際、別に監視できる「補助者」を配置することが規定されており、長距離飛行が事実上難しいのが現状だ。
 政府はこの審査要領を改訂し、離島や山間部などに限って、目視外の長距離飛行が可能となるよう承認基準を定める方針だ。今年度中に改定案をまとめ、来年度の運用開始を目指す。
 日本国内のドローン市場規模は世界全体の1割にも満たないとされる。

9月15日付産経新聞朝刊に掲載された「産経女子特区×ドローン」の記事

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