ドローンの安全飛行管理システムを語る〜熊田 貴之・ブルーイノベーション株式会社 代表取締役

ドローンの安全飛行管理システムを語る〜熊田 貴之・ブルーイノベーション株式会社 代表取締役

INTERNATIONAL DRONE EXEPOで、ブルーイノベーション株式会社 代表取締役の熊田 貴之氏は、ドローン市場やドローンの安全飛行管理システムに関する講演を行った。


法人におけるドローンの積極的な利活用を推進してきた同社の代表を務める熊田氏が、国内におけるドローンの安全な飛行管理システムについて講演した。

2020年には1兆円産業になる国際的なドローン市場の予測

 「世界のドローン市場の成長予測によれば、2020年には、約1.2兆円の産業になると予測されています。(*1)」と熊田氏は切りだす。
 一方の日本でも、国内産業用ドローンの市場規模が、2020年には約200億円に、さらに2022年には400億円を超えると予測されている。(*2)
 「産業用ドローンの国内における市場の内訳予測によれば、200億円のうちドローン本体の規模は約20億円と試算され、残りの約170億円がドローン関連のサービスによる売上になると予測されています。(*3)」と熊田氏。
 ドローンのサービス関連の利用分野としては、2015年の時点では約70%が農薬散布となっているが、2020年には整備や点検などの用途が約4割を越え、計測が約2割を占めると予測されている。その他にも、警備や倉庫などの需要も広がると考えられている。(*2)
 また、ドローンの実用化に向けたロードマップによれば、空中撮影などの用途が中心の現在から、今年は観測や監視などへの利用が広がり、来年からは環境監視や夜間の稼動にマッピングなどへの応用が広がり、約200億円の市場規模に向けて、4年先には物流や配送などの分野でも活用される可能性が高い。
 「国内におけるドローンの民間需要においては、建築や土木工事での調査や測量に、不動産業や娯楽施設などのプロモーション映像の撮影に、報道や映画、そしてイベントや記念撮影などで利用されています。その他の用途でも、ソーラーパネルに山林や鉄道などの各種施設の調査や管理に活用されています」と熊田氏。

無人航空機の事故事例と安全上の課題

 「活用が進む一方で、国内外で無人航空機による墜落や危険な行為の事例も増えています。2014年だけでも、米国や英国で空港付近で旅客機とドローンが異常接近したり、日本でも撮影中のドローンが墜落して怪我をする人がいました。また、官邸や善光寺にドローンが落下した昨年の事件を記憶している方も多いと思います」と熊田氏。
 ドローンを安全に利用するためには、解決しなければならない技術的な課題と産業インフラの問題があるという。まず、技術的な課題としては、GPSの精度の向上やGPSが届かない環境下での飛行など、航法における技術革新が求められている。その他にも、自律制御や機体の長時間飛行に、部品の信頼性や風雨下での耐性、通信性能の向上に、安全対策などが求められている。また、産業インフラの面では、操縦者の技能や知識を向上させるライセンスの整備に、機体の認証や検査、飛行業務の管理に事故データの収集、賠償責任やプライバシーの保護に武器拡散禁止などの対応が、課題として検討されている。
 「ドローンを取り巻く数多くの課題を解決するために、ドローン・インテグレーターである弊社では、安全飛行管理システムによる解決策を提供しています」と熊田氏。

 同社の提供する安全飛行管理システムとは、ドローンに安全飛行管理装置を取り付けて、IDによる認証と飛行ログの記録を実現するもの。ICチップカードが入った操縦者ライセンスをかざすことで、ドローンが起動するシステムにより、悪用や盗難を防止する。また、飛行ログにより10時間以上の飛行時間も証明する。
 「安全飛行管理システムは、遠隔操作やドローンからのデータをクラウドサーバーにビッグデータとして収集することにより、将来的には事故の解析や保険適用などへの活用も可能になります」と熊田氏はそのビジョンを語った。

*1 出典 FROST&SULLIVAN分析(2014年)
*2 出所 シード・プランニング
*3 出所 日経BPクリーンテック研究所

この記事のライター

関連する投稿


JUIDAが有明防災フェアでミニドローン体験会&ドローンデモフライト 元自衛官アイドルのかざりさんもドローン初体験

JUIDAが有明防災フェアでミニドローン体験会&ドローンデモフライト 元自衛官アイドルのかざりさんもドローン初体験

一般社団法人日本UAS産業振興協議会は、8月10日〜12日、東京都江東区有明の東京臨海広域公園で開かれた「第5回有明防災フェア」に協力・出展し、チームはちどりによるミニドローン体験会やブルーイノベーションの点検ドローン「ELIOS」のデモフライトを行った。


JUIDA創立4周年、記念セミナーでドローンへのAIシステム実装がもたらす移動革命について講演

JUIDA創立4周年、記念セミナーでドローンへのAIシステム実装がもたらす移動革命について講演

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、「JUIDA創立4周年記念セミナー」を7月26日、東京大学で開催し、鈴木真二JUIDA理事長、国土交通省 航空局 安全部 安全企画課 無人航空機企画調整官の徳永博樹氏、(株)スペースメディアジャパン 代表取締役社長の管埜寛之氏がそれぞれ講演した。


富山ドローンスクールが「サミット」を開催 会場満席の約100人が聴講

富山ドローンスクールが「サミット」を開催 会場満席の約100人が聴講

 富山ドロ-ンスクールを運営する北日本自動車学校(富山市)は8月4日、ドローン産業の最前線で活躍する講師を招く「富山ドローンサミット」を。富山大学で開催した。一般社団法人日本UAS産業推進協議会(JUIDA)の千田安弘副理事長、慶應大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表が登壇し最新事業を解説した。


伊豆大島の魅力を発信! ドローンの観光利用を模索するモニターツアー開催

伊豆大島の魅力を発信! ドローンの観光利用を模索するモニターツアー開催

 伊豆大島で7月12日、ドローンの観光利用の可能性を探るモニターツアーが始まった。経験者、未経験者を問わずドローンに関心がある20人が参加し、初日には未経験者はドローン操作のレッスンを受け、熟練者はさっそく空撮に臨んだ。14日までの期間中、参加者が大島の魅力を発信する。


JUIDA認定ドローンパイロット、国会議員第1号誕生 藤丸敏議員に認定証授与

JUIDA認定ドローンパイロット、国会議員第1号誕生 藤丸敏議員に認定証授与

衆議院議員第二議員会館で、13日、JUIDAの認定資格の「操縦技能」と「安全運航管理者」の修了証授与式が行われ、鈴木真二理事長から藤丸敏(さとし)衆院議員に修了証が渡された。


最新の投稿


スマホケースと一体化した空飛ぶセルフィーカメラ「SELFLY」 12月発売予定

スマホケースと一体化した空飛ぶセルフィーカメラ「SELFLY」 12月発売予定

株式会社Gloture (東京都港区)は、SELFLY camera, LLC (ボストン・アメリカ) の高性能スマホケース型ドローンカメラ「Selfly Camera」を今年12月ごろ販売開始する。


Swift020 VTOLドローンが石川県の林業と協力してフライトに成功

Swift020 VTOLドローンが石川県の林業と協力してフライトに成功

2018年8月13日、カリフォルニア州サンクレメンテ。Swift020 UASは、石川県農林研究センター、地方森林協同組合、主要林業界の指導者と協力して、2018年7月23-25日に石川県内の密集した森林地帯でフライトに成功したと発表した


テラドローン、ドローン専用自律航行管理ソフト「TERRA UTM」の提供開始

テラドローン、ドローン専用自律航行管理ソフト「TERRA UTM」の提供開始

テラドローン株式会社(東京都渋谷区)は、ドローン自律航行管理ソフト“TERRA UTM” の一般向けアプリの販売を、 8月20日、 開始した。


ドローン×AIによる交通量調査サービス「ドローントラフィックモニター」提供開始

ドローン×AIによる交通量調査サービス「ドローントラフィックモニター」提供開始

 データセクション株式会社(東京都渋谷区)は、ドローンによって撮影された車や人の動画像をAI技術で分析し、自動で交通量を計測するサービス「ドローントラフィックモニター」の提供を開始した。


住友商事がドローンなど先端技術を使った水稲生産用先端農業システムのパッケージを提案

住友商事がドローンなど先端技術を使った水稲生産用先端農業システムのパッケージを提案

住友商事株式会社(東京都中央区)は、農業分野における社会課題の解決と国内農業の国際的競争力の向上を目的に、ドローンなど先端技術を使った『水稲生産用先端農業システムのパッケージ型提案』を本格的に開始すると発表した。