【慶大×田村市】総合防災訓練でドローン高校生躍動 市民から「すごいね~」と感心の声

【慶大×田村市】総合防災訓練でドローン高校生躍動 市民から「すごいね~」と感心の声

 平成29年度田村市総防災訓練が10月1日、同市常葉(ときわ)地区で開催され、同市の防災訓練として初めてドローンが導入された。慶大の指導を受けた同市消防団や、福島県立船引高校の生徒が参加し、市民から「すごいね」「たのもしい」の声があがるなど、存在感を示した。


自衛隊、高齢者団体も参加 ドクターヘリ、重機も動員!

 訓練当日は快晴で風が強くなく、ドローンのフライトにふさわしい天気だった。ただし、訓練の設定は違う。台風接近に伴い強い雨が断続的に続く中、午前6時10分に福島県沖を震源地とする地震が発生し、田村市で震度6を観測したという想定だ。
 訓練では、地震が発生したと想定する時刻直後の午前6時15分には災害対策本部のメンバーに非常招集がかかり、市長、副市長ら幹部が災害対策本部を設置した。午前8時には田村市常葉地区に現地本部が設置された。田村市は常葉町、船町引、滝根町、大越町、都路村が平成17年に合併した市で、同市の防災訓練は旧町村の各地区が持ち回りで会場となっている。今回は常葉地区の担当だ。
 訓練には、田村市、市民のほか、田村市消防団、陸上自衛隊、航空自衛隊、地元小中学校、高齢者施設、女性会などが幅広く参加し、防災ヘリ、ドクターヘリ、重機も動員した。慶大、船引高校も参加機関に名を連ねた。
 船引高校の生徒たちは、9月9日に同市総合運動公園で行われた音楽野外フェスOne + Nation music circusでも空撮、来場者向け体験会を実施しており、今回はそれに続いての大がかりな活躍の場となった。

慶大と〝ドローン連携協定〟を締結している田村市の機体

消防団、倒壊家屋の下で救助を待つ人をドローンで発見

 この日の訓練で最初にドローンが活躍したのは、常葉小学校での倒壊家屋建物救出訓練。校庭におかれた傾いた倒壊家屋かげで救出を待つ救難者を、ドローンを飛ばして見つける段取りだ。ここでは慶大に指導を受けた同士の消防団がドローンを操作し、その様子はモニターに投影した。市長、副市長が見守る中、ドローンのカメラは家屋の下で手を振って助けを求める救難者を映し出し、発見された救難者は、救急車で搬送された。
 ドローンを操作した消防団員は「指示を受けた通りにできたと思います。滞りなくできてほっとしています」と笑顔を見せた。

消防団の訓練。倒壊家屋からの救難の模様を空からドローンで撮影。状況の把握ができることを確認した

倒壊家屋の下で手を振って救出を待つ人をドローンで見つけ出した消防団のみなさん。右は指導した慶大ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長

船引高校生、はしご車、タンク車などの活動を空から中継

 船引高校の生徒は、常葉小学校から200メートルほど離れた常葉行政局で待機。ここでは田村市消防署指揮車、タンク車、はしご車、救助工作車などの訓練が大がかりに行われ、訓練が始まると、生徒達がドローンで訓練の様子を撮影を開始した。会場には大型のモニターが準備されていて、ドローンで撮影した映像はモニターに映し出された。多くの市民がモニターをのぞきこみ、上空からの訓練の様子に見入った。
 会場では「ドローンを飛ばしているのは、船引高校の生徒です」と紹介するアナウンスも流れ、モニターをのぞき込んでいた市民の1人は、ドローンを指さしながら「高校生が操縦していると聞きました。いま、すごいね~って話していたんですよ。ほんとにたいしたものです。たのもしいです」と目を細めていた。
 消防団や船引高校を指導してきた慶大ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長も、河川の氾濫防止活動や、文化財の放水活動のさいにドローンを飛ばした。
 市の関係者は、「高校生にはドローンの操縦を安心してまかせられました。これからが楽しみ。将来は市の活性化を背負ってもらえたらうれしい」と話していた。

高校生が国交省認証取得 音楽フェスで活躍
https://www.dronetimes.jp/articles/1902

高校生が撮影した映像をモニターで眺める市民

船引高校の生徒達は、航空自衛隊の隣に整列。訓練での存在感は自衛隊に見劣りしなかった

船引高校の生徒達が、ドローンをフライトさせる前に打ち合わせ

はしご車の活動の様子をドローンで記録

消防団や高校生の指導をしてきた慶大ドローン社会共創コンソーシアムの南事務局長もフライト。水難者の救助の様子や文化財火災を想定した放水活動などを空撮した

訓練終了後に船引高校の生徒も堂々と整列

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