「第4回国際次世代農業EXPO」に登場した最新ドローン

「第4回国際次世代農業EXPO」に登場した最新ドローン

2017年10月11日から13日までの3日間。幕張メッセで「第4回国際次世代農業EXPO」が開催された。最先端のIT技術や農業用ドローンが数多く登場し、各社が最新のソリューションを紹介していた


農業リモートセンシングの最新ソリューション

Parrot Disco AG Pro + Sequoiaを手にする株式会社スカイロボットの貝應大介代表取締役

Parrot Disco AG Pro + Sequoia(上)とDJIのPhantom 4にSequoiaを取り付けたSKYSCAN AG。

 農業用ドローンには、大きく分けて2つの用途がある。土壌や植生など田畑の状態を「鳥の目」として空から撮影して分析するリモートセンシングと、圃場に肥料や薬剤を散布する用途がある。昨年の同EXPOに登場したドローンの多くは、後者の薬剤散布用ドローンが中心だった。しかし、今年はヤマハ発動機がオリジナルのドローンを発表しただけではなく、セミナーに登壇したUMS事業推進部の中村克氏が「ヤマハもリモートセンシング事業に参入します」と表明したように、精密農業に向けた取り組みを各社が加速している。
 こうした背景から、今年の展示ではマルチスペクトルカメラを搭載したリモートセンシング用のドローンが数多く登場していた。その中でも、特に注目されたドローンが、株式会社スカイロボットの展示コーナーにあったParrot Disco AG Pro + Sequoia(マルチスペクトルカメラ)。これまで、農業用リモートセンシングの固定翼ドローンといえば、senseFly社のeBeeが有名だった。そのeBeeにSequoiaを搭載したソリューションは、国内外で広く使われてきたが、eBeeをDiscoに置き換えたシステムは、AIRINOVファースト1年ライセンスも付属して、550,000円(税抜き)のコストパフォーマンスを実現している。同社の貝應大介代表取締役によれば「スカイロボットとしては、Parrot Discoを飛ばすためのトレーニングにも力を入れていく」という。また同社では、すでにDJIのPhantom 4にSequoiaを取り付けたSKYSCAN AGというソリューションを発表しているが、今後は圃場のニーズに合わせて、マルチコプターか固定翼かを提案していく。
 Sequoiaを活用したソリューションでは、株式会社オプティムもPhantom 4に取り付けるアダプターを開発しているが、SkymatiXでは通常のカメラで撮影したRGB画像データから、葉の色を診断して、作物の健康状態や収穫時期を判断するリモートセンシングを提供している。代表取締役COOの渡邉善太郎氏によれば「解析の難しい紫外線や赤外線などの画像データを見ても、素人には作物の状態が理解できません。それよりも、RGBで捉えた画像からカラーチャートを元に生育の状況を可視化できれば、低コストでニーズに合ったリモートセンシングを実現します」と話す。

オプティムが開発したPhantom 4にSequoiaを取り付けるアダプター

新規参入が加速する農薬散布ドローン

ヤマハ発動機のYMR-01

 今回の展示で多くの来場者の注目を集めていたのは、ヤマハ発動機のYMR-01という農薬散布用ドローン。ヤマハらしい機体デザインと、薬剤を噴霧するノズルの上にあるローターだけを二重反転式にして、ダウンウォッシュを確保している。もっとも、今回の展示は参考出品で、正式な発表は来年の春を予定している。それまでは、正確な性能や価格などは未定。しかし、基本的な設計コンセプトやデザインは完成しているようで、薬剤の散布を請け負っている事業者を中心に、用途に合わせて従来の無人ヘリとドローンを提案していく考え。
 ヤマハの他にも、スカイマティックスも「はかせ」という農薬散布ドローンを展示していた。プロドローン製の高性能な機体は、20kgまで搭載できる性能に10Lのタンクを取り付けることで、安定した飛行を実現している。また、スカイリンクはDJIのMG-1を展示していた。そしてJ DRONEのブースでは、DJIのInspire 2にSequoiaを取り付けたリモートセンシングや特許出願中の殺鼠剤パックなどを落下できる装置に、自社開発の農薬散布ドローンを展示していた。株式会社日本サーキットの栗原元夫課長によれば「我々のドローンは、農水協に申請中です。特長は、アームを簡単に折りたたんで、コンパクトに持ち運べることです。農水協の認可が得られれば、トレーニングも含めて提供していく計画です」と話す。

 今後、農業用ドローンの用途が薬剤散布からリモートセンシングに代表される精密農業に広がっていくと、取得したデータを効率よく的確に処理するためのITが求められる。今回の農業用ドローンでは、株式会社オプティムのようなIT企業によるソリューションの展示が印象的だった。飛行からデータ収集に解析まで、一気通貫で提供できる農業ソリューションが登場するのか、あるいは機体と運用と解析と、それぞれに得意とするベンダー同士が連携するのか、今後の市場動向が注目される展示会となった。

スカイマティックスの「はかせ」

スカイマティックスのリモートセンシングはRGBで捉えた画像からカラーチャートを元に生育の状況を可視化

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