米スウィフト社のVTOL機Swift 020が日本で初フライト

米スウィフト社のVTOL機Swift 020が日本で初フライト

エアロセンス株式会社(東京都文区、代表取締役:谷口恵恒)と、スウィフト・エンジニアグ株式会社(カリフォル州サクレメンテ、代表取締役:リック ハイス)は、千葉でVTOL(垂直離着陸型固定翼)ドローンSwift 020の国内初となるデモフライトを11月7日に行った。


未来を予見させるSwift 020の垂直離着陸と水平飛行

鳥のように優雅に飛行するSwift 020

 スウィフト社のSwift 020は、大きな翼に4つのプロペラを備えた固定翼型ドローン。X-Blade Technology(エックス ブレード テクノロジー)という独自の技術で、垂直での離着陸を可能にしている。4年間の研究開発と2年間の実証実験を繰り返し、最大で100kmを超える長距離飛行を可能にしている。スウィフト社とエアロセンス社は、今年の7月に国内での事業化を目指した提携を発表していて、今回のデモフライトは、その連携を推進する取り組みの一つ。

https://www.dronetimes.jp/articles/1661

大人一人で容易に持ち運べるSwift 020

 会場となった千葉のラジコン飛行機用の飛行場には、Swift 020の実機とモックアップが持ち込まれ、2回のデモフライトが行われた。最初のデモフライトは、芝生から機体が垂直に離陸すると、上空で姿勢を水平に制御してメインのプロペラだけで飛行する様子が紹介された。デモフライトにあたり来日したスウィフト社のリック ハイス代表取締役は、「ぜひ離陸から水平飛行に移るときの音を聞いてもらいたい。Swift 020はとても静かに長距離が飛べる設計になっている」と説明した。実際のデモフライトでも、水平飛行に移ると上空からほとんどプロペラの音はしなくなった。そして翼で飛行する様子は、大きな鳥が滑空しているような優雅な姿に映った。静かに安定した高度で空に弧を描くSwift 020に、固定翼型ドローンの未来を垣間見た。
 デモフライトの当日は、少し強い横風が吹いていたが、飛行を終えたSwift 020は4つのプロペラと翼のラダーを巧みに操り、自律制御で的確に垂直着陸を行った。

インタビューに答えるスウィフト社のリック ハイス代表取締役

救命救急での活用を想定したシナリオによるデモフライト

Coaid119のアプリケーションを説明する様子

 2度目のデモフライトでは、救急情報共有サービスを開発しているCoaido株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:玄正慎)のCoaido119(コエイドイチイチキュー)というスマートフォンのアプリを組み合わせて、路上で倒れている人にSwift 020でAED(自動体外式除細動器)を届けるシナリオが紹介された。
 心肺停止の状態を想定した人形に通行人に扮したCoaido社の社員が通りかかり、Coaido119で救急情報を発信すると、AED搭載を想定したSwift 020が少し離れた場所から離陸して上空で旋回を始めた。そして、Coaido119による救急情報を共有した別の人が現場に駆けつけて、AEDと救急車の到着を待つ間に、心臓マッサージなどの処置を手伝う。少しして、救命救急の現場にSwift 020が着陸し、約1kgのペイロードがある本体の格納部からAEDが取り出され、人形に処置が施された。その後、救急車が到着して救命救急士による搬送が行われた。
 一連のシナリオによるデモフライトの後、インタビューに応じたスウィフト社のリック ハイス代表取締役は、「日本では救命救急や災害時の緊急物資の配送などに、Swift 020を活用できると考えています」と話す。スウィフト社では、Swift 020の飛行性能を活かした農業リモートセンシングや広域の湾岸警備にパイプラインの検査など、機体とセンシングをセットにしたビジネスを米国で提供していく計画がある。一方の日本では、目視外での遠距離に及ぶ自律飛行には規制の壁がある。それに対してエアロセンス社の谷口恵恒代表取締役は、「当社はすでに自社製のVTOL機で、日本全国における包括目視外飛行承認を取得しています。その利点を活かして、Swift 020も国内で実証飛行を行えると思います。大切なことは、数多くの試験飛行を繰り返して、安全性を実証できるデータを収集し、関係機関と連携してVTOL機の産業利用を推進していくことです」と話す。

救命情報をスマートフォンから発信するデモンストレーション

約1kgのペイロードがあり小型のAEDなども運搬できる

Swift 020に続いて救急車が到着した様子

今後の展開について語るエアロセンス社の谷口恵恒代表取締役

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