関西電力、DPCAが電力設備のある研修施設で講習 関電による社員パイロット養成の一環

関西電力、DPCAが電力設備のある研修施設で講習 関電による社員パイロット養成の一環

 関西電力は12月8日、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA、京都市)の「DRONEフライトオペレーター講習」を、関電の研修施設で行った。関電はドローンの操縦ができる社員を育成し、自社設備の保守、点検への活用を目指す。講習は一般にも開放され当日は関電社員1人を含め、12人が参加した。


M-200をデモ飛行 50メートル離れた場所からボルトのサビ確認

 講習が行われたのは、大阪府茨木市にある関電の研修施設、「関西電力能力開発センター」で、敷地には鉄塔や電柱など研修用の電力設備を備えた施設もあるなど、点検の現場に近い環境で講習が行われた。関電は業務高度化、事業開発をけん引するドローン操縦者の育成を目指しており、この講習もその一環だ。関電などによると、電力設備を併設した場所でのドローン操縦の講習会は全国で初めてという。
 講習は前日の7日にドローンのルールや、飛行の仕組みなど基礎的な知識に関する座学が行われ、8日の2日目に実技が行われた。地上に置いたパイロンを目印に、前進、移動などを組みあわえて目的地にたどりつく練習を繰り返した。
 その後、会場にある高さ45メートの鉄塔をドローンで点検することを想定したデモフライトを実施した。鉄塔が支える送電線は高圧電流を運んでいることを想定し、トラブルを防ぐため鉄桶から距離をとっても異常の有無を確認できるかどうかを調べてみた。
 DPCAのインストラクターでタジマドローンフォトグラフィー(兵庫県)の北村和良代表が、DJIのMatrice200を操縦し、鉄塔から50メートルほど離れたところにドローンをホバリング(空中静止)。ドローンに搭載した光学30倍、デジタル180倍ズーム機能を備えた高性能カメラ、Z30でズーム撮影をしたところ、鉄塔のボルトのサビや、送電線の電流を鉄塔に通さずに支えるための「がいし」の表面がはっきり確認できた。このあと講習参加者2人が、同じ機体を飛ばして、鉄塔の状況確認に挑戦した。

関電の研修用の電柱が立ち並ぶグラウンドで行われた実地講習。初めてコントローラーを持つ人もいたがインストラクターの指導でPhantom 4を使って、目印に置かれたパイロンの上空を飛行させていた=8日、大阪府茨木市の関西電力能力開発センター

鉄塔に向かってゆっくりと高度を上げるM-200。

高所作業を、より安全に、より効率的に

 講習に参加した関西電力事業本部電力システム技術センター架空送電グループの案浦正将さんは、「ドローンが点検業務に活用できるか評価をしているところなので、今回の経験を参考にしたいと考えています」と話した。
 趣味で使うために講習に参加した永瀬竜也さんは「ドローンを飛ばし、ズームカメラで撮影すると、離れていてもこれだけはっきり確認できることがわかり、ほしくなった」と話していた。
 電力業界では設備点検など高い場所での作業の質を確保しながら、効率性、安全性を高めることが課題になっている。ドローンの活用で迅速な補修過疎発見につながったり、安全対策につながったりするかどうかを検討しており、試行的に導入もしている。また社内でドローンを操縦できる人事を20人程度養成する計画で、2019年度には発電所の設備点検にドローンを活用する方針だ。
 関電はこうした方針をふまえ、11月9日にDPCAと業務提携。今回の講習実施にもつながった。関電経営企画室の福島武志専任部長は、「今後も関電のイノベーションの取り組みとして、ドローン自律高校の検証や、充電インフラの検証などドローンの社会インフラ化に向けた課題解決をDPCAと協力して進めて参ります」と話した。
 DPCAは番組向け映像撮影などドローンを使った映像クリエイターを中心構成する団体で、映像撮影のほか防災訓練協力などで多くの実績を積み、京都府、神戸市、大阪市など6の自治体と協定を結んでいる。一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールとして講習をしているほか、独自に開発した「DRONEフライトオペレーター」の講習も実施ししている。またパイロットの応用力を身に着けるため国際興業と提携し「3次元計測カリキュラム」が受講できるようにするなど、取り組みの領域を広げている。

ドローン講習を受講したばかりの関西電力の案浦正将さんが操縦するM-200が、高度約70mで捉えた送電線のボルトの様子。

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