American Robotics社が精密農業のための完全自律ドローンシステムを発表

American Robotics社が精密農業のための完全自律ドローンシステムを発表

米国ボストン、2017年12月07日。農業オートメーションに特化した工業用UAV開発業者のAmerican Roboticsが、Scout(スカウト)を発表した。Scoutは、自発的に毎日の偵察飛行を自律的に行う自己充電式の自己管理UAVシステム。


未来の農業を予見させる完全な自動化された自律飛行

ドローンステーションから飛び立つScoutドローン

 American Robotics社が発表したScout(スカウト:偵察)システムは、マルチスペクトルカメラと通常のカメラを備えた自律型ドローンと、耐候性のドローンステーションに、ターンキー操作アプリケーションをパッケージにしたソリューション。ドローンの飛行計画から操作に管理をすべて自動化する。ドローンステーションは、ドローンの格納と充電とデータ転送をサポートする。同社によれば、Scoutシステムは2017年の夏に、米国の農業地帯にすでに導入されているという。同社の共同創設者でCEOのReese Mozer(リース・モゼール)氏は「スカウトの背後にある技術は、農家や農薬専門家と協力して、彼らが直面している独特な物流や経済の課題を理解した後に開発されました。その結果、スカウトは、この業界のニーズを真に解決する、実用的で工業的なUAVの最初のシステムです。フルオートメーションは、今後の精密農法の重要な要素であり、我々は最終的にこの機能を顧客に提供することを熱望し興奮しています」と話す。

American Robotics社の共同創設者でCEOのReese Mozer(リース・モゼール)氏

 また、カンザス州立大学精密農業学科教授のRay Asebedo(レイ・アセベド)博士は「ドローンを操作するためには、非常に多くの時間とコストが必要なので、農家や農業経営者は月に1回以上、ドローンを利用することはまずありません。これにより、有効な作物の偵察に必要な頻度と解像度で画像データを取得できなくなります」と問題を指摘し「現在、他の製品は農家のニーズに直接対応しておらず、農業が待っているドローンのソリューションをAmerican Roboticsが開発したと思います」と期待を寄せる。
 American Robotics社は、ボストンのMassRoboticsに本社を置き、ロボット創業の新たな拠点となっている。2050年までに、世界人口は100億人に増加すると見込まれ、食糧生産を70%増やす必要がある。この問題は、耕作地の減少と世界中の農業従事者数の減少と相まって、農業における自動化と効率化のための新しいツールの必要性に拍車をかけている。しかし、民生用ドローンを含む従来の手動操作による農地のスキャニングは、迅速に植物のストレスなどを検出するには、複雑でコストがかかっていた。農業の意思決定を改善し、インプットを最適化し、収量を最大化するためには、信頼性の高い産業ソリューションによるオートメーションが必要とされていた。今回のScout(スカウト)システムは、こうした課題を解決する未来の農業に向けた取り組みと目されている。

飛行の様子を紹介した動画
https://vimeo.com/242310566

農地をスカウト(偵察)する様子

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