旭川でスマート農業シンポジウムを開催(2)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(2)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。特別講演に続いて、田上利博事務局長が登壇し、ドローンを活用した精密農業の成果を報告した。


セキュアドローン協議会が目指す精密農業の姿

 セキュアドローン協議会は、ドローンとITを活用した精密農業の理想的な姿を図のようなイメージで描いている。

セキュアドローン協議会の目指す精密農業のイメージ

 ドローンや各種のセンサーを用いて収集した農地の情報をクラウドにアップロードし、そこに生産者の知見と人工知能や推論エンジンを活用した解析を加えることで、農業に関連する情報を見える化して、生育のアドバイスや警報などを発信できるようにする。この理想形を実現するために、セキュアドローン協会では「移植ならびに直播圃場における生育観測」と「農業研究機関や農業普及機関との協力に連携」を推進してきたという。田上氏は「 移植ならびに直播圃場における生育観測では、圃場全体の生育状態を可視化して実圃場地図データとの画像マッピングを行い、調査区毎のNDVI値を算出しました」と話す。また、 農業研究機関や農業普及機関との協力に連携では、調査区毎のSPAD値の計測と、草丈や茎数などの調査と計測に、圃場測位調査などを実施してきた。具体的には、マルチスペクトルセンサーの近赤外線と葉緑素含有量(SPAD計)の相関関係を検討するために、ドローンによるリモートセンシングと地上で葉に含まれる葉緑素含有量を計測して「草丈、茎数、時期により乾物重、窒素含有率、窒素吸収量の地上計測値との関係性について検討しました」と田上氏。

セキュアドローン協議会の田上利博事務局長

空と地上の計測データによる生育状況の分析

ドローンを活用した精密農業の実施イメージ

 セキュアドローン協議会による平成29年度の実証実験は、6月から9月の間に移植圃場4箇所と直播圃場2箇所で行われた。ドローンによるデータ収集では、自動操縦による50mの高度から真下に向けた980万画素のマルチスペクトルカメラで、毎秒5mの速度で飛行した。撮影した植生画像データは、MacaSense社のAtlasサービスを利用し、フリーソフトウェアのQGISも活用して画像の精緻化とNDVI値の算出を行った。空と地上の計測データを分析した結果、田上氏は「グラフで見る限りは、地上の値とドローンによる計測には、大きな違いはありません。今回の計測をリアルタイムで精密に精緻化していくことができれば、いろいろな係数が取れて、もっと役に立つのではないかと思います」と話す。

NDVI/SPAD値の変化をグラフにした例

この記事のライター

関連する投稿


Parrotが精密農業用ドローンParrot Bluegrass Fieldsを発表

Parrotが精密農業用ドローンParrot Bluegrass Fieldsを発表

2018年11月8日 - フランス。Parrot(仏)は、マルチスペクトルカメラを標準搭載した精密農業向けのドローンParrot Bluegrass Fieldsを発表し、アメリカなどで販売を開始した。価格は、$4,490(約50万円)


Delair(仏)が農業・林業の大規模測量に最適化された新しいUAV UX11 Agを発表

Delair(仏)が農業・林業の大規模測量に最適化された新しいUAV UX11 Agを発表

2018年11月6日-フランス、トゥルーズ。商業用UASソリューションのサプライヤであるDelair(仏)は、農業向けに最適化された新しいUASプラットフォームのDelair UX11 Agを発表した。


精密農業に最適化されたPix4Dfieldsが発表される

精密農業に最適化されたPix4Dfieldsが発表される

ドローン用画像解析ソフトを開発するPix4D(スイス)は、精密農業に最適化されたPix4Dfieldsを発表した。


精密農業の世界市場は2023年に95.3億ドル(約1兆円)と予測

精密農業の世界市場は2023年に95.3億ドル(約1兆円)と予測

市場調査会社のRESEARCH&MARKETS社(米国)は、2018年の精密農業市場が50.9億ドル(約5,650億円)に達すると予測し、CAGRが13.38%で2023年には95.3億ドル(約1兆円)になるとの予測を発表した。(田中亘)


【ジャパンドローン2018】ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは

【ジャパンドローン2018】ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは

一般社団法人セキュアドローン協議会は、ジャパンドローン2018のオープンステージで、会長の春原久徳氏が「ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは」と題する講演を行った。


最新の投稿


バヌアツ、83の島々の子どもたちにワクチンをドローン輸送 試験運用実施

バヌアツ、83の島々の子どもたちにワクチンをドローン輸送 試験運用実施

バヌアツの保健大臣のノリス・ ジャック・カルメは、 同国の島々に住む子どもたちにワクチンを届ける、 ドローンによる輸送試験が公式に開始されたと12月5日、発表した。


サン電子とドコモ、5GとARスマートグラスを活用したドローンの遠隔支援で実証実験開始

サン電子とドコモ、5GとARスマートグラスを活用したドローンの遠隔支援で実証実験開始

 サン電子株式会社と株式会社NTTドコモ東海支社は、第5世代移動通信方式(5G)と、サン電子のARスマートグラス「AceReal One」を活用したドローンの遠隔支援などの実証実験を12月4日から開始した。


米国の橋梁点検で効果を発揮するインテルのドローンソリューション

米国の橋梁点検で効果を発揮するインテルのドローンソリューション

米半導体大手のインテルは、米国の2つの輸送部門と協力して、オハイオ州とケンタッキー州を結ぶダニエル・カーター・ビアード・ブリッジとミネソタ州のストーン・アーチ・ブリッジの手動検査をドローンで補完して、橋の検査を改善したと12月5日、発表した。


国際航業ドローンスクール・ドローンタイムズのスタッフが三次元計測まで挑戦

国際航業ドローンスクール・ドローンタイムズのスタッフが三次元計測まで挑戦

ドローンの操縦技術から3次元計測の実践スキルを一貫して習得できる国際航業のドローンスクールに、ドローンタイムズのスタッフが挑戦した。果たして、JUIDA認定カリキュラムをクリアして、彼らは晴れてドローンパイロットになれるのだろうか。


カーシエル が仏セルベア社のアンチドローンシステム公開

カーシエル が仏セルベア社のアンチドローンシステム公開

カーシエル株式会社(東京都中央区)が、仏セルベア(CerBair)社のアンチドローンシステムを関係者に紹介。