ドコモ5Gでウインドサーフィンワールドカップの海上映像の伝送成功 ドローン空撮伝送も

ドコモ5Gでウインドサーフィンワールドカップの海上映像の伝送成功 ドローン空撮伝送も

株式会社NTTドコモ(ドコモ)がNPO法人日本ウインドサーフィン協会(JWA)と、「ウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会 (ウインドサーフィンワールドカップ)において、28GHz帯における第5世代移動通信方式(5G)を 用いた海上での無線通信による4K映像の伝送実験の成功事例を紹介。


 5月23日から東京ビッグサイトで開催されている「Wireless Technology Park 2018」のNTTドコモ「5G Tokyo Bay SummitR 2018」では、株式会社NTTドコモ(ドコモ)がNPO法人日本ウインドサーフィン協会(JWA)と、5月10日から5月15日に開催された「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会 (ウインドサーフィンワールドカップ)において、28GHz帯における第5世代移動通信方式(5G)を 用いた海上での無線通信による4K映像(※1)の伝送実験の成功について紹介している。この実験ではワールドカップの模様をドローンによる4K空撮も行った。
 実験は、5Gを活用して、マリンスポーツなど観客から離れた位置で競技する選手の動きを迫力ある 映像で観客に届けるパブリックビューイングサービスを想定し、実施された。具体的には、ウインドサーフィン ワールドカップの会場において、海岸から300m~1km離れた海上に停泊させた小型船舶のデッキに設置 したカメラや、ドローンに搭載したカメラでライブビューイング用の映像を撮影し、船舶内で映像を4K映像に集 約した後に、同船舶内にドコモが搭載した5G移動局から陸上に設置した5G基地局に向けて無線伝送 を行った。

 映像伝送では、4つの映像を集約した4K映像の伝送に、上りリンクで80Mbps程度の データレートが必要となるため、4G(LTE)による伝送は困難だった。一方、5Gは4Gに比べて高い周波数帯 を用いるため、長距離伝送にはビームフォーミング(※2)が必要となり、さらに移動通信をサポートする場合、 ビーム追従機能(※3)も必須となった。陸上では人や自動車は基地局に対し主に水平方向に動くが、海上の 船舶は波などの影響により基地局に対し垂直方向に大きく揺れたり、停泊するために転回するなど、陸上に おける無線伝送環境とは大きく異なるという問題がある。
 今回は、基地局および移動局の双方に実装したビームフォーミング技術を前提に、2段階のビームサーチ による高効率かつ高精度の3Dビーム追従技術を駆使することで、波による揺動などの影響を受ける海上でも 安定した無線伝送を可能とし、最大1.1Gbpsの上りリンク伝送を実現した。こうしてウインドサーフィン選手を、多角的に捉えた迫力ある映像をパブリックビューイング会場でリアルタイムに放映することに成功しました。

船舶から離陸するドローン

※1 4つの2K映像を集約した4K映像

※2 電波の位相や振幅を制御し、特定の方向に強い電波を出す技術

※3 移動端末の動きに合わせて電波の方向を変えることにより安定した通信を実現する機能

共同実験の概要

1実験内容

 海上に停泊させた小型船舶に5G移動局を設置し、同船舶上に設置したカメラや ドローンに搭載したカメラから撮影したウインドサーフィン大会の競技映像を、陸上の5G基地局に向けて無線伝送しパブリック ビューイング会場で放映した。
 具体的には、小型船舶上においてHEVCエンコードした映像素材をMMT送信装置を用いて符号化および IPパケット化し、舶上の5G移動局から、海岸のホテル屋上に設置した5G基地局に向けて上りリンクを用いて 無線伝送した。船舶は、ウィンドサーフィン競技のコースに合わせて基地局から300m~1kmの範囲の 海上に停泊し、船舶のデッキ上に設置したカメラおよびドローン搭載カメラで撮影した4種の2K映像を集約 して4K映像を生成した。映像伝送の設定ビットレートは誤り訂正符号を含み80Mbpsとした。
 伝送 された映像は、ホテル内のオペレーションルームに設置したHEVCデコーダとMMT受信装置を介して映像 スイッチャーで放映する素材をスイッチングし、パブリックビューイング会場に配置された大型ビジョンにて リアルタイムに放映した。

 本実験で観測された無線伝送速度は下記の通り。

2.実施日時 2018年5月10日から5月15日

3.使用周波数帯  28GHz帯(365MHz幅)

4.実験イメージ

図1.実験構成

図2.ホテル屋上に設置した5G基地局と、船舶に搭載した5G移動局

図3.船舶のデッキ上の5G移動局

図4.競技映像撮影中の船舶

図5.パブリックビューイング会場

5.実験装置仕様

6.各社の役割

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