DJI ZENMUSE XT2の国内事例を紹介

DJI ZENMUSE XT2の国内事例を紹介

DJI JAPAN株式会社(本社:東京都品川、代表取締役:呉韜)は、赤外線カメラのZENMUSE XT2の国内事例を報道関係者と代理店や関係者に発表した。


インフラ点検や太陽光パネル検査での先行事例を発表

 2018年3月29日に発表されたZENMUSE XT2は、FLIR Systemと共同で開発された赤外線カメラ。スタビライザー付きジンバルとデュアルセンサーをFLIRの放射測定熱画像と4Kビジュアルカメラに組み合わせた構造になっている。別々のカメラを搭載した空撮に比べて、一回の飛行で制外線データと映像データの両方を確認できるので、検査や点検の効率を向上させる。発表会では、その実力を証明するために、国内で先行して導入した検証協力パートナーによる事例が紹介された。まず、太陽光発電所ソーラーパネル点検では、上野グリーンソリューションズ株式会社が、茨城県つくば市で行った点検の様子が動画で紹介された。また、外壁調査では有限会社スギテックによる建造物の壁面を検証する事例が発表された。どちらの検証事例も、ドローンの機材や飛行支援で株式会社セキドがサポートした。
 発表会では、DJI JAPANのエンタープライズセールスの李秀英マネージャーが、DJI ZENMUSE XT2の特長や産業用途の可能性について触れたあと、セキドのインダストリアル事業開発グループの高木圭太ディレクターと、スギテックの工務部 技術第一グループの谷野心樹リーダーが登場し、3名によるパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションの様子
右から
DJI JAPANのエンタープライズセールスの李秀英マネージャー
スギテックの工務部 技術第一グループの谷野心樹リーダー
セキドのインダストリアル事業開発グループの高木圭太ディレクター

太陽光パネルの点検時間を短縮できるFLIR MSX技術

 太陽光パネルの点検では、これまで目視や温度センサーによるホットスポットの検出を人手で行ってきた。DJI ZENMUSE XT2を搭載したMatrice 200シリーズを利用することで、FLIR MSX技術を活用し、発熱しているホットスポットを正確に把握できるようになった。検証に参加した高木氏は「FLIR MSX技術により、サーマル画像に輪郭表示を行い、ホットスポットの位置を的確に表示できました。その位置をトランシーバーで現場の作業員に指示して、正確に異常個所を特定できるようになりました」と検証結果を話す。また、発電施設には高圧線が通っているため「通常のドローンでは磁気の影響で安全にフライトできませんが、DJI Matrice 210 RTKを使用して、磁気干渉を受けない安定したフライトを実現しました」と高木氏は補足する。

FLIR MSX技術のサンプル画像

外壁調査ではタイルや壁面の剥離を赤外線カメラで検査

 外壁の劣化診断では、これまで専用器具による打音検査を中心に、地上に据え置いた赤外線カメラを使い、壁面の温度差を調査してきた。スギテックの谷野氏は「打音検査では、高所に足場を組む必要がありました。また、地上からの赤外線カメラによる撮影では、高層部になると精度が基準を満たせないこともありました」と話す。外壁を構成しているタイルや壁面の材質は、剥離が発生すると中に空気が入る。そのため、日中に通常の外壁と比較すると、温められた空気で高温になる。それを赤外線カメラで地上から検査しているが、高所になるとレンズの歪みなどにより、正確な診断が困難になる。そこで、DJI ZENMUSE XT2による外壁調査を実施した。谷野氏は「従来の赤外線カメラを搭載したドローンでは、異常個所の正確な位置が壁面画像からは分かりにくかったのですが。FLIR MSXによる輪郭抽出を行うことで、平面の目地などを頼りにして正確な個所の特定が可能になります」と効果を説明する。
 DJI ZENMUSE XT2のインテリジェント機能には、FLIR MSXの他にも高温アラームやヒートトラックに温度確認、等温線やピクチャー・イン・ピクチャーなど、温度と映像をリアルタイムに変換する技術が数多く用意されている。こうした機能を活用することで、送電線の点検や火災現場に救助活動などの効率化も期待できる。李氏は「6月の中旬に、 ZENMUSE XT2に対応したDJI PILOTとDJI XT PROがリリースされます」と話す。

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