創刊記念 ドローンタイムズ セミナー 「ドローンから始まる日本の空の産業革命」 (8)

創刊記念 ドローンタイムズ セミナー 「ドローンから始まる日本の空の産業革命」 (8)

ドローンタイムズ創刊記念セミナーでは、最後にトークセッションを開催した。ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之 氏がモデレータとなり、ドローンベンチャーを取り巻く現状や課題などがディスカッションされた。(田中亘)


ドローンベンチャーが日本で成功するためには

トークセッションの冒頭で、トーマツ ベンチャーサポート株式会社 アドバイザリーサービス事業部 ロボット・ドローンインダストリーリーダー 瀬川 友史 氏が、ロボットを取り巻く課題について指摘する。
「ドローンもロボットの一種です。そう捉えると、ロボットと同様な4つの課題が浮かび上がります。一つは、技術開発が優先してしまい、事業として成り立たないロボットを作ってしまうケースです。ふたつ目は、新しいシステムを導入しても、マネジメントが変えられずに、現場で活用できない問題です。そして三つ目が、法規制やルール作りの重要性です。最後の課題が、最初の一歩を踏み出す難しさです。この分野では、やはり大企業よりもベンチャー企業の方が、スピード感が速いので、最初の一歩はベンチャーになると思います」
続いて、野村リサーチ・アンド・アドバイザリー株式会社 調査部 調査二課 研究員 川﨑 雅大 氏が、ドローンベンチャーを取り巻くファイナンス環境の日米の違いについて触れる。
「アメリカでは、2014年に200億円を越える資金をドローンベンチャーが調達しています。2015年には3ヶ月で220億円が調達されるほど、投資が盛んになっています。その投資先には、ドローンの機体を作るメーカーだけではなく、フライトコントローラーやドローンのための地図アプリなど、IT関連のベンチャー企業も含まれています」
両名の発言を受けて、熊田氏は日本が世界のドローン市場で戦っていくためには、どのような方法があるのか質問した。
「日本には、少子高齢化やインフラの老朽化など特有の社会課題があります。そうした課題を解決するためのドローンとサービスの事業は、国内だけではなく、将来同様な社会構造をむかえる海外に向けても、ビジネスとして輸出できる可能性があります」と瀬川氏は分析する。
一方の川崎氏は「まだドローンの世界は黎明期で、これから資金を集めなければならない状況でしょう。そこで、エンジェル投資家やクラウドファンディングなどから調達するためには、ドローン産業にどれだけ大きな夢を描けるかが重要です。また、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドなどから調達する場合には、自社の成長の可能性をいかに投資家に伝えられるかが大切です」と資金調達の道筋について話す。
そして、ビジネスが軌道に乗り、株式上場後に公募増資が得られるようになったときに、「ドローンベンチャーが真の成功を示せる」と、川崎氏は締めくくった。

ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之 氏

野村リサーチ・アンド・アドバイザリー株式会社 調査部 調査二課 研究員 川﨑 雅大 氏

トーマツ ベンチャーサポート株式会社 アドバイザリーサービス事業部 ロボット・ドローンインダストリーリーダー 瀬川 友史 氏

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