NASAがUASの目視外飛行を一般の空域で成功させる

NASAがUASの目視外飛行を一般の空域で成功させる

2018年6月13日-米国カリフォルニア州。NASAは遠隔操作で飛行する大型のikhana(イカナ)無人飛行システムを使い、米国の一般の空域で、自律制御と遠隔操作による完全な目視外飛行を成功させた。


FAAの飛行技術標準と地対空レーダーで目視外飛行を実現

米国の一般の空域を無人で飛行したイカナ航空機

 今回の実験飛行を行うために、連邦航空局(Federal Aviation Administration、以下FAA)は、3月30日にアメリカ航空宇宙局(NASA)に特別な許可を与え、その証明書により、イカナ航空機のパイロットは最新の検知と回避技術による遠隔飛行を行った。イカナ航空機は、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地から離陸し、すぐに制御された空域に入った。イカナ航空機は、エドワーズ空軍基地の西に広がる一般の航空機が飛行するクラスA空域で、約20,000フィートの高さで飛行した。その後、イカナ航空機は機首を北に向けて、フレズノ方面に向かって飛行した。そして、ロサンゼルス航空路管制センターからオークランド航空路管制センターに航空管制を移管した。帰りの飛行では、カリフォルニア州ビクタービルから南に向かい、通信制御をロサンゼルスに戻した。
 帰還飛行の間、機体はカリフォルニア州のテハチャピ市を中心に、一般航空機が飛行するクラスE空域(約10,000フィート)に穏やかな降下を開始した。イカナ航空機の遠隔操縦者は、空港での航空管制官とリアルタイムで交信しながら、5,000フィートのところにあるビクターヴィル空港へのアプローチを開始した。これらのミッションをすべて成功裏に実行した後、イカナ航空機は一般の空域を出て、アームストロングの基地に戻った。

NASAのArmstrong Flight Research Centerのエンジニアは試験飛行中にミッションコントロールルームからイカナ航空機を監視

 イカナ航空機には、General Atomics Aeronautical Systems、Inc.が開発した空中レーダー、Honeywellの交通警報と衝突回避システム、Fusion Trackerの検出と回避、自動従属監視に放送機能など技術が搭載されている。航空機がGPS(衛星ナビゲーション)を介して位置を決定し、この情報を他の航空機が追跡できるように定期的に送信する監視技術も備える。
 イカナ航空機Armstrong Flight Research Centerで遠隔操作したテストパイロットのスコット・ハウ(Scott Howe)氏は「私たちは、全米の空域システムで大型無人機を飛行させるパイロットの安全性を大幅に向上させる洗練された技術を使用して飛行しています。我々はリスクを軽減し、この飛行を確実にするために時間をかけてきました」と話す。
 また、NASAの統合航空システム・プログラムディレクターのエド・ワゴナー(Ed Wagoner)氏は「これはNational Airspace Systemプロジェクトチームの無人航空機システムインテグレーションにとって巨大なマイルストーンです。FAAの同僚と数ヶ月間緊密に協力して、この初期の飛行を実現するための要件をすべて満たしました」と成果を語る。
 NASAでは、イカナ航空機のような大型の遠隔操縦飛行機を米国で飛行させることは、森林火災の監視や消化から、緊急捜索や救助活動に至るまで、あらゆる種類のサービスへの扉を開くと指摘する。今回の飛行実験で利用された技術は、将来的には、小型化されて一般の飛行機にも搭載される可能性もあるという。

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