高度15,000フィートと飛行距離50マイルを達成したMartin UAVのV-BAT
6月4日の午後、米国のキャンプ・ロバーツ米軍基地のマクミラン・フィールドから最新のVTOL固定ウイングUAV「V-BAT」の試験飛行が行われた。試験は、最高高度と飛行距離の計測が目的。最初の高度計測では、離陸から25分後に、V-BATが15,000フィート(約4.6km)の高度に到達した。二回目の飛行では、50マイル(約80km)を超える飛行距離を実現した。
Martin UAVのV-BATは、サンダーバード1号のような設計で、機体の後尾に取り付けられたダクテッドファンにより垂直に離陸し、空中で水平飛行に移る。ダクテッドファンは、円筒形のダクトの中にプロペラ状のファンを備えた構造で、プロペラの回転によって推力を得る。通常のドローンのプロペラと異なり、ファンが構造物で覆われているので安全性が高い。ダクテッドファンは、ホバークラフトなどの推進装置として利用されている。V-BATのペイロードは5ポンド(約2kg)で、最大8時間以上の飛行が実証されている。自律飛行による垂直離着陸と長距離飛行が可能で、今回の実験では高度と飛距離の面で、高い性能を示した。
元RAF戦闘機パイロットでマーティンUAVの最高執行責任者(COO)のフィリップ・ジョーンズ氏は「これらのマイルストーンで、V-BATは2年前に我々が設定した重要な性能パラメータのすべてを実証した。エンジニアリングチームの焦点は、戦闘員の要求をよりよく満たすためには、これらの機能を強化し、改良することに移る」と話す。
今回のテストは、政府、産業界、学術イノベーターに新しい技術を協力して実験する機会を提供するイベントである、海軍大学院大学のジョイント・インターエージェンシー・フィールド実験18-3(JIFX)の一環として実施された。