JUIDA創立4周年、記念セミナーでドローンへのAIシステム実装がもたらす移動革命について講演

JUIDA創立4周年、記念セミナーでドローンへのAIシステム実装がもたらす移動革命について講演

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、「JUIDA創立4周年記念セミナー」を7月26日、東京大学で開催し、鈴木真二JUIDA理事長、国土交通省 航空局 安全部 安全企画課 無人航空機企画調整官の徳永博樹氏、(株)スペースメディアジャパン 代表取締役社長の管埜寛之氏がそれぞれ講演した。


 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(東京都文京区、理事長:鈴木真二/JUIDA)は、「JUIDA創立4周年記念セミナー」を7月26日、東京大学(東京都文京区)で開催し、鈴木真二JUIDA理事長が「空の移動革命に向けて:AI技術、空飛ぶ車などの動向を踏まえて」と題し記念講演を行い、ドローンへのAIシステムの実装による人とドローンの共生社会がもたらす“空飛ぶ車”
などによる移動革命について話した。
 次に国土交通省 航空局 安全部 安全企画課の徳永博樹 無人航空機企画調整官のが登壇し、パブリックコメントの結果が間もなく発表されることを前提に、目視外飛行に関する今後について話した。
 最後に、(株)スペースメディアジャパン 代表取締役社長の管埜 寛之氏が、来場者がはじめて1万人を超えた「JAPAN DRONE 2018」の結果と来年開催の内容について説明した。

JUIDA創立4周年記念セミナーで講演する鈴木真二理事長=7月26日、東京・文京区の東京大学

会員5700人超、ジャパンドローン展来場者1万人超など発展続けるJUIDA創立4年

 記念講演冒頭、鈴木真二理事長は、2014年7月31日の創立以来、今日までJUIDAがおこなってきた様々な活動を紹介した。2016年から今年で3回にわたり開催しているドローン単一展示会「ジャパンドローン展」や会員専用飛行場の開設状況を説明した。なかでも今年7月1日には会員数が5700人を超え、認定校は全国159校にのぼり、約5000人にJUIDA操縦技能証明証、約4500人にJUIDA安全運航管理者証明証を発行したことを発表した。最近では特に地方の自動車教習所で、教官がドローンのインストラクターとなりドローンスクールを併用する例が増えているとした。
 また国際連携では、これまでに13カ国の団体と関係を深めてきた。最近ではそのような団体からJUIDAのライセンスを発行したいという意向も多く寄せられ、一方、日本で取得したライセンスを海外で利用できるといったクロスライセンスの導入を検討していることを明かした。
 ドローンの国際標準化(ISO)についてJUIDAとしては、ドローンのトレーニングの国際標準化を推進しようと積極的に活動している。

ロードマップ、今秋レベル3に

 次に、鈴木理事長は、JUIDAも積極的に参加している内閣官房主催の官民協議会で作成された、今後ドローンがどのように活用されるべきかのロードマップについて触れた。
 2015年11月の官民対話の席上、安倍晋三首相は「早ければ3年以内にドローンによる荷物輸送を目指す」と述べ、航空法の改正を経て、レベル4までのロードマップが作成された。まさに今年が安倍首相のいう3年目にあたり、国交省航空局、経産省と民間団体が検討を進め、11月にはレベル3の無人地帯での目視外飛行による荷物輸送が開始される。運用にあたっては補助員を付けるなど課題が残っているが、この先はいよいよ第三者上空(都市部)での目視外飛行が可能となるレベル4の段階に入る。これについて安全面などで、経産省のNEDOが立ち上げる2つのプロジェクトについて説明した。

第三者上空、目視外彦に向け2つのプロジェクト

 ひとつは、第三者上空で目視外飛行に向けた無人航空機の性能評価基準に関するプロジェクト。このプロジェクトでは、産総研、安全衛生研、東京大学、またドローンメーカーとしてプロドローン、自律制御システム研究所、イームズロボティクスが参画して安全に第三者上空を飛行させるための性能評価をどうするべきか、またもしドローンが落下した時にどのような事故が想定されるのか、事故のリスクを減らすためにどのような安全策が有効なのか、そしてドローンが都市部を飛行するとなると、騒音も大きな課題となるので、騒音基準をどのように設定するべきか、以上のような検討をはじめている。
 もうひとつは、新たな課題として、無人航空機の安全性をいかに確保するかということで、人口知能(AI)をドローンに適応させる新しいプロジェクトが開始される。これについては東京大学が中心となって産総研、イームズラボ、日立システムズが参加して4年の計画で研究をすすめるとした。

ドローンへのAI実装で安全性向上へ

 鈴木理事長は、課題として航空機の数が増加する中で、熟練したパイロットが不足してきている現状、いかにして安全な飛行を維持するかという問題に対し、AIが注目されていることをあげた。鈴木理事長による研究を例に、翼が取れた無人の航空機がAIによる操縦で、着陸地点を判断し無事に着陸した実験結果を紹介した。また欧米でロボットが有人機を操縦する実験を記録したビデオが紹介された。
 飛行中のドローンが様々な要因で安定した飛行ができなくなった場合、AIによって安定して飛ばす事ができるのか、飛んでいるドローンの故障が起きていないか診断する故障診断のAI、また故障していた場合、ドローンが自分で安全に着陸地点を判断して下りることができる安全を維持するAなどが開発され、現在話題となっているような「空飛ぶ車」等に搭載されればより安全に操縦できるのではないかと期待されるとした。“空飛ぶ車”について、マルチコプターも大型化すれば人が乗車できる程のペイロードが可能となり、中国、アメリカ、ドイツ等では試作の段階だが技術的には実際に空を飛ぶ車が開発されている。

広がるドローン技術

 また開発中の“空飛ぶ車”は、電動のモーターでプロペラを回しているわけだが、通常の小型の航空機でもエンジンの代わりにモーターを搭載して飛ぶことが可能になってきている。
 このドローンの技術を生かし、スロベニアのピピストレル(Pipistrel)社は米国のLSA(Light Sport Aircraft/軽量スポーツ機)にカテゴライズされ電動モーター駆動の超軽量機を開発した。この機体は、自動車の運転免許と10時間程のトレーニングをすれば簡単に飛ぶことができるとして米国では認証されているという。
 以上のように航空機の世界も大きく変わろうとしており、ドローンの技術を更にバックアップしようということで、ボーイング社では「Go Fly」という世界的なコンテストを開催し、世界中から小型一人乗りの空飛ぶ乗り物を提案させてその技術を高めようと活動を行っている。このGo Flyには日本のチームが1チームだけ参加していて、TETLAというドローンを提案している。

電動モーターで飛行するピピストレル社製の軽量機。

新技術を誰が必要としているのか、独りよがりに陥らない技術開発

 鈴木理事長は「こういった新しい技術だから使って行けばいいというわけではなく、誰がその技術を欲しているか把握し、そこに目を向けて技術開発、環境整備を行って行くことが必要と思う。こうした検討のもとで簡単に空を移動できるいうことで新しいサービス、新しい生活、新しい産業が生まれて行くと考える」と話した。
 最後に「JUIDAはUASの最新情報の提供と。国際連携によって、利用分野の促進、技術の研究開発などを支援し。我が国の無人航空機事業の発展に貢献する。無人航空機が大きく活用する社会を作り出すためにこれからも活動してきたいと考えています」と締めくくった。

■■ JUIDAの新刊書、鈴木真二監修、JUIDA編「きちんと知りたい!ドローンメカニズムの基礎知識」■■

■JUIDA鈴木真二監修、JUIDA編「きちんと知りたい!ドローンメカニズムの基礎知識」(日刊工業新聞社刊、2,160円)
本書は、ドローンの機体や操縦システムに関するメカニズムを分かりやすくまとめた本。飛行の基本原理をはじめ、ローターやモーター、各種センサーといったパーツや、無線システムなどドローンを飛ばすシステムに至るまでその仕組みを解説。そのほか安全に飛行するための管制や法規制などの運用面の仕組みも網羅。1冊でドローン技術に関するすべてが分かる。

記念セミナー後のパーティで新刊を手に挨拶する鈴木真二理事長。

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