【慶大×田村市】実った、実った! ホップ収穫祭開催 つまんで浮かべて味わって

【慶大×田村市】実った、実った! ホップ収穫祭開催 つまんで浮かべて味わって

 ドローンを活用した地域活性化に取り組む福島県田村市で8月5日、ビール主原料であるホップの収穫体験が行われた。ホップはドローンの有効活用を検討している作物で、ホップに魅了された人たちが、品質向上や労力軽減に道を開くドローン導入を後押ししそうだ。


地元に本社を構える国産ホップ生産、流通、販売のホップジャパンが主催

 収穫祭が行われたのは、田村市に本社を置く国産ホップの流通、販売を手がける株式会社ホップジャパン(本間誠社長)の契約農家だ。午前10時に総勢17人が畑に集合。郡山市在住の2人組、東京の中央省庁に勤務し、復興活動に関わった縁で参加したグループらが、次々と畑に踏み入れ、緑色の〝実〟をつまみ、腰に結び付けたカゴにいれていった。2時間でカゴ8杯分になった。

 ホップの収穫は、高さが壁になる。ひとつひとつをつまむ作業こそ単純で簡単だが、高所を手摘みするためには、やぐらを組んだり、はしごをつけたり、さまざまな工夫がなされてきた。しかし多くが手摘みをあきらめ、いまは大半が、つるごと切り落とし、機械で選別している。

 それでもホップジャパンの本間誠社長は「われわれは手積みでいく」という。理由は味だ。機械で収穫すると傷みがちで、せっかくの味わいが損なわれるのだそうだ。生産農家の鈴木喜治さんも「手積みと機械積みとでは、味が全く違う」と断言する。

 労を惜しまずおいしいものを追求する栽培農家の労力を少しでも軽減できないか。田村市内のホップ農家では、ドローンの導入機運が高まっている。慶大ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表らが、畑でドローンを使って観察を繰り返し、有用性を確認中だ。

 収穫祭の参加者の中にも、「労力が軽減されて、品質向上が見込めるのだから、ドローンやその他の技術を取り込みが進むことを期待している。番、などと言っていられる状況ではない」と先端技術導入に肯定的な声があがった。せっかくの努力を後押しし、労力も軽減できる工夫の登場を待ち望んでいるのは、生産農家だけではない。

 なお参加者一行はこのあと、鈴木さんの畑から、市内で行われている地元のフェス会場に移動した。そこではホップジャパンがクラフトビールの店を出店していた。ラガーとスタウトの二種類。注文をすると、グラスにあらかじめ収穫されていたホップを数個いれ、そこにビールを注いで手渡される。ホップが浮かび、顔を近づけると、ほんのりホップ特融の華やかな香りがたちのぼる。「少し時間がたつと、もっといい香りになりますよ」とドバイスを受ける。待ちきれないまま飲み始め、のみほしたらおかわりをする。参加者は口々に「香りが、すごい」などととれたてのホップに魅了された様子だった。

 ドローンが地域活性化に取り組む田村市のホップは、ドローンとのコラボでさらに磨きがかかる可能性がある。

ひとつひとつをつまむ作業は簡単で、大勢で取り組むと楽しい。ただし8メートルの背丈は作業効率の妨げとなるためここではウインチがとりつけられ、目の高さをとりつくしたら、つるをおろして高所の摘み取りができる工夫をしている。手前の男性が頭に巻いている黄色いタオルは昨夏、田村市内で開催された野外音楽フェスの会場で販売されていた開催記念のタオル。東京から参加したこの男性は、田村市の復興にもかかわっているという。麦わら帽子の男性が、ホップの生産農家、鈴木喜治さん

作業中は笑顔がはじける

こちらでも笑顔がはじける

2時間でこれだけ収穫した

フェス会場で提供されているクラフトビールには地元でとれたホップが浮かべられていて、華やかな香りが漂う

こんなふうにホップを浮かべてのむとおいしいという

この記事のライター

関連する投稿


【東日本ドローンサミット】慶大・南政樹氏による「ドローン×災害対応・復興支援」 復興の重要拠点だったJ-ヴィレッジで開催

【東日本ドローンサミット】慶大・南政樹氏による「ドローン×災害対応・復興支援」 復興の重要拠点だったJ-ヴィレッジで開催

 東日本ドローンサミットでは、災害対応、復興支援にドローンがどう使えるのかを検証するセッション「ドローン×災害対応。復興支援」も行われる。東日本大震災の復興拠点となったJ-ヴィレッジで、震災時のドローン活用を、慶大ドローン社会共創コンソーシアム副代表、南政樹氏とともに考える貴重な時間となる。


【慶大ドローン】ドローンレースチームDMM RAIDEN RACINGが登壇 資金も客も集まるリアルな欧州事情など紹介

【慶大ドローン】ドローンレースチームDMM RAIDEN RACINGが登壇 資金も客も集まるリアルな欧州事情など紹介

 ドローン研究に力を入れている慶應義塾大学で、プロドローンレースチーム「DMM RAIDEN RACING」の選手らが教壇に立った。大学院生向けのKPMGコンサルティングによる寄附講座「eSports論」の一環で、最年少の中学生、鈴木匠選手ら3人が、世界を転戦した感想や、世界と日本のレース環境の差について説明した。


【慶大ドローン】レースチームRAIDENの中学生選手らが慶大院で講義 KPMG寄附講座「eSports論」で

【慶大ドローン】レースチームRAIDENの中学生選手らが慶大院で講義 KPMG寄附講座「eSports論」で

 ドローン研究、教育、社会実装に力を入れている慶應義塾大学が、大学院の講義に、ドローンチーム「DMM RAIDEN RACING」を招いた講義を行う。KPMGコンサルテフィングの寄付講座「eSports」の一環で、チームに所属する中学生プロレーサー、鈴木匠選手も大学院生を前に話をする予定だ。


イタリアの陸上配送ドローン「YAPE」が慶応義塾大学SFCでデモ走行

イタリアの陸上配送ドローン「YAPE」が慶応義塾大学SFCでデモ走行

株式会社DroneFutureAviationは、独占取扱権を有する陸上用配送ドローン「YAPE」のデモンストレーションを慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスで9月5日に行った。


【慶大×田村市】「ドロコンたむら」第2回定例会 DRONERBIRD隊長の古橋氏が講演 「発災後の地図を迅速に」

【慶大×田村市】「ドロコンたむら」第2回定例会 DRONERBIRD隊長の古橋氏が講演 「発災後の地図を迅速に」

 ドローンによる地域活性化に取り組む福島県田村市で9月10日、業種横断的な有志のドローン活動体、「ドローンコンソーシアムたむら」の第2回定例会が開かれた。「ドローン×防災」をテーマに、「災害ドローン救援隊DRONBIRD」を率いる青山学院大学の古橋大地教授が講演し、約30人がドローンで作るマップの可能性に理解を深た。


最新の投稿


バヌアツ、83の島々の子どもたちにワクチンをドローン輸送 試験運用実施

バヌアツ、83の島々の子どもたちにワクチンをドローン輸送 試験運用実施

バヌアツの保健大臣のノリス・ ジャック・カルメは、 同国の島々に住む子どもたちにワクチンを届ける、 ドローンによる輸送試験が公式に開始されたと12月5日、発表した。


サン電子とドコモ、5GとARスマートグラスを活用したドローンの遠隔支援で実証実験開始

サン電子とドコモ、5GとARスマートグラスを活用したドローンの遠隔支援で実証実験開始

 サン電子株式会社と株式会社NTTドコモ東海支社は、第5世代移動通信方式(5G)と、サン電子のARスマートグラス「AceReal One」を活用したドローンの遠隔支援などの実証実験を12月4日から開始した。


米国の橋梁点検で効果を発揮するインテルのドローンソリューション

米国の橋梁点検で効果を発揮するインテルのドローンソリューション

米半導体大手のインテルは、米国の2つの輸送部門と協力して、オハイオ州とケンタッキー州を結ぶダニエル・カーター・ビアード・ブリッジとミネソタ州のストーン・アーチ・ブリッジの手動検査をドローンで補完して、橋の検査を改善したと12月5日、発表した。


国際航業ドローンスクール・ドローンタイムズのスタッフが三次元計測まで挑戦

国際航業ドローンスクール・ドローンタイムズのスタッフが三次元計測まで挑戦

ドローンの操縦技術から3次元計測の実践スキルを一貫して習得できる国際航業のドローンスクールに、ドローンタイムズのスタッフが挑戦した。果たして、JUIDA認定カリキュラムをクリアして、彼らは晴れてドローンパイロットになれるのだろうか。


カーシエル が仏セルベア社のアンチドローンシステム公開

カーシエル が仏セルベア社のアンチドローンシステム公開

カーシエル株式会社(東京都中央区)が、仏セルベア(CerBair)社のアンチドローンシステムを関係者に紹介。