MAVIC 2体験会で新型ドローンの「買い」度を確かめる(2/3)

MAVIC 2体験会で新型ドローンの「買い」度を確かめる(2/3)

DJI JAPAN株式会社(東京都)の開催した新型ドローンMAVIC 2の体験会に参加し、新機能の数々を確かめられる実機の飛行を通して、どのくらの「買い」度なのかを見極めてきた。(田中亘)


かなりの強風でも安定したホバリングを見せるMAVIC 2

中村パイロットによる模範飛行

模範飛行を実演するDJIの中村パイロット

 MAVIC 2体験会の中盤では、DJIの中村パイロットによる実機の模範飛行が行われた。前半のプレゼンテーションで紹介された撮影テクニックが、実際にどのように操作されるのかを実演して見せてもらった。
 最初に、特設テントから数メートル離れた位置に置かれたMAVIC 2が、軽やかに離陸した。浮上後は、飛行の安定性を確認してもらうために、しばらくの間は地上から1メートルほどの高さでホバリングを行った。当日は、DJIのスタッフが特設テントの柱を両手で支えなければならないほど、かなり強い風が吹いていたが、そんな強風の中でもMAVIC 2は安定したホバリングを維持していた。Phantom 4とは違い、横風の空気抵抗を受け難いMAVIC 2の優位性が実証された。また、新たに設計されたブラシレスモーターとプロペラによる静穏性も確かめられた。屋外での飛行を経験したことがあるPhantom 4と比べると、かなり静かな印象を受けた。
 中村パイロットによる模範飛行では、ホバリングの後にFlightAutonomyシステムによる障害物の回避を実演する予定だった。しかし、残念なことに用意した障害物が、強風で壊れてしまったために、回避飛行の様子は披露されなかった。

画像認識の技術が大幅に向上したトラッキングシステム

アクティブトラッキングやドリーズームを実演するためにフィールドに被写体が登場

 続いて、フィールドに被写体となる人物が登場して、新しく追加された撮影モードのいくつかが実演された。最初は、被写体を自動的に追尾するアクティブトラック2.0が紹介された。MAVIC 2のコントローラーに接続されたスマートフォンのモニター画面に表示された被写体を選択すると、人物の動きに対してMAVIC 2が自動的に追尾する様子が披露された。MAVIC 2のカメラ画像は、テント内の大型モニタにも映し出され、フォーカスの精度が向上している点を中村パイロットは強調していた。
 次に、MAVIC 2 Zoomに搭載されたドリーズームが実演された。前回でも解説したように、ドリーズームは被写体のサイズを変えないようにしながら、ドローンを前後に移動させてズームレンズを動かす撮影テクニック。実際の撮影は、ほぼ全自動になっていて、被写体を指定してドリーズームを実行すると、一定の秒数でMAVIC 2 Zoomが前または後ろに飛行する。移動は水平方向に限られる。デモフライトの最中に、参加者から「コントローラーで機体を上昇させても、被写体を追随できるのか」という質問が出た。そこで、中村パイロットがドリーズームの最中にスティックを上昇に倒してみると、自動撮影は中断されてしまった。技術的に考えてみても、水平移動までならばズームとフォーカスの制御を自動で計算できるが、そこに「角度」が入ってしまうと演算し切れないだろう。バージョン1.0のドリーズームとしては、水平方向の全自動撮影だけでも、十分にトリッキーな空撮映像を楽しめるはずだ。
 そして、バージョン2.0になったPOI(Point of Interest)についても、説明があった。旧バージョンのPOI 1.0では、旋回して撮影する対象の被写体をMAVICに認識させるためには、その中心点まで飛行させ、GPSの位置情報として記憶させる必要があった。それに対して、POI 2.0では位置情報ではなく、画像認識で対応するようになった。その結果、対象となる被写体を画像認識させるだけで、その位置関係や距離を測定し、そのまま旋回飛行による撮影を実行できる。画像認識の精度が向上しているので、被写体は一方向から認識させるだけで、旋回時にも位置関係が正確に維持される。MAVIC 2からは、カメラを支えるジンバルも3軸になり、画像の安定性が増しているが、ソフトウェアの処理性能も大幅に向上したことで、これまでよりも高度な撮影テクニックを、より簡単に楽しめるようになった。

操作画面からドリーズームを選択する様子

空撮コマ送りが楽しめるハイパーラプス

ハイパーラプス撮影の画面には写真の数と時間などが表示される

 中村パイロットによる模範飛行の最後は、MAVIC 2のトリック撮影における最新機能となるハイパーラプスの実演。標準的な動画は、1秒間に30枚の画像を撮影して再生することで、被写体の「動き」を認識させている。より高精細な動画では60枚、いわゆる60fpsで撮影する。それに対して、より高速な120fpsで撮影した動画を60fpsや30fspで再生すると、被写体の動きがゆっくりとなる。いわゆるスローモーションだ。その反対に、1秒間に30枚よりも少ない枚数の静止画を撮影して、それを30fpsで再生すると、今度は早送りの動画になる。それがタイムラプス撮影の原理で、それをドローンに搭載したMAVIC 2の新機能が、ハイパーラプスになる。
 ハイパーラプス撮影では、フリーとサークルとコースロックにウェイポイントという4種類の飛行方法を選択できる。どの飛行方法を選んでも、コマ撮り撮影の設定は共通している。ハイパーラプスの設定画面には、3つの数字が表示される。ひとつは、何秒間隔のコマ撮りを行うかを決める秒数。初期設定では、2sのように表示される。ふたつめは、何秒間の動画を完成させたいのか。それは、5sのような値で表示される。そしてみっつめは、撮影に必要な飛行時間。それは、5mのように表示される。例えば、2秒間隔でコマ撮りして5秒のハイパーラプス動画を撮影するためには、2秒 × 30枚 × 5秒となるので、5分の撮影時間が必要になる。
 この3つの数字の相関関係は、ハイパーラプス撮影にとって重要で、どのくらいの早送り映像を撮影したいのかにより、移動距離と飛行時間の関係が決まる。その計画をしっかりと立てておかなければ、31分の飛行時間の中で、撮り切れないこともある。もちろん、飛行モードのウェイポイントを活用すれば、一定のコースを何度でも撮り直しできるので、長距離や長時間の撮影が必須の場合には、飛行方法も含めた計算を行っておくべきだろう。
 中村パイロットによる操作では、画面での設定方法と序盤の撮影の様子が紹介され、体験時間の関係から実演は途中で終了した。そして、一連のプレゼンテーションと模擬飛行が終了したところで、いよいよ参加者による体験飛行となった。
(つづく)

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