Air Works China 2018に日本から唯一の出展 センシンロボティクス出村太晋社長インタビュー

Air Works China 2018に日本から唯一の出展 センシンロボティクス出村太晋社長インタビュー

 DJIが8月末に、世界の主要プレイヤーが集まるクローズドのカンファレンス、「Air Works China 2018」を開催し、日本からドローンの完全自動運用システム「DRONEBOX」などを手掛けるセンシンロボティクスが唯一出展し、プレゼンテーションをした。帰国した出村太晋社長に、現地の様子と今後の戦略を聞いた。


プレゼン後、ブースに人だかりができるほどの大反響

――どんなカンファレンスでしたか?

出村氏 「AirWorks China 2018は、DJI本社が開催しているグローバル、かつクローズドのイベントで、来場者はDJIと関係のある方ばかりです。DJIの関係者向けイベントの中では一番濃くて大きいと言われています。実際、600人収容の大ホールがほぼ満員になる盛況ぶりでした。上海で開催されましたが、東南アジアや台湾、米国からの参加者もいらっしゃいました」

――何が行われましたか?

出村氏 「初日は午前中がDJI、政府関係者の発表が行われ、午後には、『ソリューション・パートナー』と呼ばれる関係者によるプレゼンテーションがありました。われわれセンシンロボティクスも、ソリューション・パートナーとして3番目に登壇して、30分間プレゼンテーションをしました。ほかに登壇したのはソフトウェア開発の大手や、測量のスタートアップなどです。また2日目の午後には、これが滅多にないことだと思うのですが、DJIのコア・エンジニアと直接話ができるブースが設置されました。Air Works Chinaならではのことだと思います。」


――センシンロボティクスにとっての収穫は?

出村氏 「弊社にとって初となる今回の海外大型イベント出展であり、出展そのものも有意義でしたが、DJI本社との協業強化や、海外展開の足掛かりが出来たことが大きかったと思っています。今後、海外展開を本格的に進めていく方針ですが、それに向けて、想定以上にうまくいったと感じています」


――出村社長はプレゼンテーションでどんなお話をしたのでしょうか

出村氏 「『日本市場における業務自動化の先進的な取り組み』がテーマでした。われわれがどのドメインで事業を展開しているか、といったところから、保有する技術コンポーネントを組み合わせて、業界別、用途別に最適化したパッケージを提供していることなどについて丁寧に話をしました。その中で、太陽光発電設備向け点検自動化パッケージである「SOLAR CHECK」、ドローンの完全自動運用システム「DORONEBOX」、業務自動化統合プラットフォーム「FLIGHT CORE」にも触れました。現地ではオール・イン・ワンのパッケージのビジネスが珍しく、多くの方におもしろがっていただき、プレゼンテーション終了後は、出展ブースに人だかりができました」

――ドローンの機体そのものとは異なる領域ですね

出村氏 「我々は『機体開発以外の領域で勝負する』という方針を明確に打ち出しています。我々が受け持つのは、機体制御とか、情報取得から分析・加工、そのあとのプロセスをすべて。機体やハードはその時点で世の中にある一番いいもの、使用用途に適したものを使えばいいと思っています。我々は機体とシステムや技術を統合開発するし、それではなく、例えば、ステレオカメラをドローンに搭載したい場合には、搭載可能にする機構そのものがわれわれの開発領域です。またカメラで取得した情報をオンボード・コンピューターでどう処理するか、というところもわれわれの領域です。その上で統合サービス化します」

Air Works China 2018に日本から唯一出展し、プレゼンテーションをした株式会社センシンロボティクスの出村太晋社長

Air Works China2018の会場の様子

ニーズはある。既存サービスはない。海外に出るのは今

――海外展開の足掛かりを獲得したというお話でした、今後の展開は?

出村氏 「『SOLAR CHECK』を発表したときから海外進出は意識していました。今年の春から引き合いもあり多言語対応の準備を進めてきました。すでに英語化が7月に整いました。多言語ライブラリも準備しましたので今後はフランス語でも中国語でも対応できますし、具体的な案件が出てくるエリアからこれから具体的に進めていきます。我々のパートナーには商社や、グローバル展開をしているSIがいますので、そういった企業と連携して展開していくことを考えています。具体的な話がオーストラリアなどからありますし、今回のAir Works Chinaでもマレーシア、台湾などの方々からもお話をいただきました。多分、来年前半には1号案件が出ると思います」

――この時期に海外展開に踏み込むメリットは

出村氏 「自動化は、大規模でルーティン作業が多い領域でより威力を発揮します。例えば、海外の太陽光発電の施設は国内よりも大規模が多いのでメリットを感じていただけるケースも多いと思います。日本は少子化や高齢化を抱えていますが、海外にも人的リソースがネックになる状況があります。それが我々のサービスのニーズになっています。しかも、我々と同じような一気通貫での自動化サービスを提供できる事業者は海外にはない。これだけ揃えば、海外に早くいかない手はない」

Air Works China 2018で熱弁をふるうセンシンロボティクスの出村太晋社長

開発はあくまでも日本で

――海外で展開するサービスはどこで開発を?

出村氏 「日本市場でサービスを開発することには意味があります。この順番はとても重要だと思っています。というのは、日本の事業主が求めるリクワイアメントが細かくて厳しいことを、世界中が知っているからです。日本の厳しい要求を満たすサービスは、海外でも信用の背景になります」

――まずSOLAR CHECKですか?

出村氏 「2019年は『SOLAR CHECK』。その次に鉄塔点検アプリケーション『TOWER CHECK』が出てくると感じています。通信や、電力向けです。鉄塔点検は日本だけの問題ではない。例えばオーストラリアも問題を抱えています。オーストラリアでは最低賃金が日本より遥かに高額で、点検の人件費は経営課題のひとつとなっています。日本の少子化とは異なる形で、労働者の構造問題を抱えているといえますので、我々のサービスで少人化できるれば、それだけでも大きな価値があるのではないかと考えています」

――日本のドローン関連産業の海外進出が楽しみです。ありがとうございました。

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