提携と買収でドローンのデータ解析力を強化する米国PrecisionHawk社

提携と買収でドローンのデータ解析力を強化する米国PrecisionHawk社

2018年9月5日。米国のドローン大手プロバイダーのPrecisionHawkは、エネルギー分野の検査サービスに長けたHAZONとInspecToolsを買収し、屋根や不動産データ分析を得意とするEagleViewと提携し、ドローンのデータ解析に関連するビジネスを強化した。


ドローンを活用した保険金請求ビジネスを加速

EagleView OnSite仮想デスク調整ソリューションでドローンが撮影した地域を調査

 PrecisionHawkが提携したEagleViewは、政府機関、保険会社、屋根業者、エネルギー会社の高解像度空中映像、不動産データ分析、構造計測を得意とするプロバイダー。特許取得済みの画像キャプチャ技術や3D空中測定ソフトウェアに機械学習プロセスを使用して、世界中の何百万もの不動産に関する調査を実施している。EagleViewは、60ペタバイトの航空写真のライブラリと、1日に何万もの屋根測定レポートを処理する能力を備え、現地視察を減らし、より速く、より安全でコスト効率に優れた不動産検査を提供している。今回の提携によりEagleViewは、PrecisionHawkのドローンパイロット紹介サイトのDroners.ioを活用し、ドローンによる保険金請求のための不動産データを収集する。
 EagleViewのリシ・ダガ(Rishi Daga)CEOは「EagleView OnSiteは、保険金請求を解決するために必要なすべてのツールを提供しています。ドローンが保険業界の運営方法を変革し、検査をより安全に、より簡単に、よりコスト効率よく行うことができるように、EagleViewは、手動ワークフローをデジタル化する技術を強化します」と話す。
 保険金請求の仮想ドローン検査は、損害保険業界における挑戦的な取り組みとなる。過去20年の間に、経験豊かな保険調査員の数は大幅に減少した。特に、ハリケーンが発生した後には、労働力不足が発生していた。保険調査員の需要は高いので、ドローンのパイロットは新しい未開発の「労働力」として活躍できる。
 EagleView OnSite仮想デスク調整ソリューションとPrecisionHawkを組み合わせることで、数千人の認定された訓練を受けたドローンパイロットを保険業界に提供し、価格競争力のある質の高い保険検査を実行できる。過去18ヶ月間に、EagleView OnSiteで25,000件以上の請求を処理し、保険会社が不動産訴訟のワークフローを変更し、サイクルタイムを少なくとも40%短縮した。
 PrecisionHawkのマイケル・チャゼンCEOは「保険会社は、保険金を評価する際に、資産検査にドローンを使用することが増えています。この慣行は、請求者のサイクルを変え、調査員が一回限りの事故から自然災害に至るまでの事故に関連した被害を観察、分析、評価することをより迅速かつ安全にしています」と話す。さらに「EagleViewとの関係は、高度に訓練された公認のドローンパイロットを提供するだけでなく、業界全体が必要とするドローンがどのような性能であるかを明確にして、ドローン技術の発展にも貢献します」と付け加える。
 またEagleViewは、PrecisionHawkの最新の7500万ドルの資金調達にも参加した。EagleViewのリシ・ダガ(Rishi Daga)CEOは「EagleViewは、関係をさらに強化するため、最新の資金調達に参加してPrecisionHawkに投資しています。EagleView OnSite ソリューションの強みとPrecisionHawkとDroners.ioの専門知識と規模を組み合わせることで、 保険会社は保険契約者にさらに価値を提供することができます」と話す。

エネルギー分野でのドローン活用にHAZONとInspecToolsを買収

 PrecisionHawkが買収したHAZONとInspecToolsは、エネルギー資産検査に特化した2社。HAZONの広範な航空経験と標準ベースの検査サービスは、エネルギー業界で高い評価を受けている。同社はFortune 500の顧客企業に8,000時間以上の飛行時間を合計して13,000件以上の検査を実施している。同社のデビッド・クラーCEOは「HAZONは、PrecisionHawkチームに標準ベースの操作と安全性に関する世界最高レベルのベストプラクティスと評判をもたらすことに興奮しています。PrecisionHawkに加わることで、お客様はビジネスインテリジェンスを向上させるスケーラビリティ、予測性、費用対効果の高い無人機ソリューションにアクセスできます」と話す。
 InspecToolsは、再生可能エネルギー市場向けの高精度マシンビジョンソフトウェアとデータ解析システムを開発している。Vestas、PG&E、SMA Solarなど、世界最大規模の機器メーカやサービスプロバイダは、洗練されたレポート作成、分析、機械学習機能のために、InspecToolsをソーラーパネルや風力タービンの検査に使用している。同社のポール・ビンガマンCEOは「InspectToolsは、PrecisionHawkのソフトウェア解析プラットフォームに即座に付加価値を与える再生可能エネルギーのための長年の経験、解析ツール、マシンビジョンソフトウェアを提供します。この関係は、エネルギー市場におけるドローンの経済的可能性を推進するための基本的な技術とサービスをさらに強化します」と話す。
  PrecisionHawkのマイケル・チャゼンCEOは「HazonとInspecToolsの確立された技術とマルチマーケットの評判を、PrecisionHawkの経験、専門家チーム、そして顧客と一緒に集めることは非常に喜ばしいことです。これらの製品を組み合わせることで、お客様は最先端のエネルギー製品とサービス、規制上の専門知識、安全で安心な作業にアクセスできます」と述べる。
 技術と規制の進歩により、エネルギー市場は実証実験の段階から、ドローンの大規模な展開フェーズへと進化している。流通網、送電線、太陽電池パネル、風力タービン、石油・ガス・ユーティリティ・インフラ、緊急対応など、ドローンのエネルギー市場への導入は、97億ドルの世界的な市場機会を提供している。調査会社のIDCによると、ロボティクスとドローンの世界的な支出は、今後4年間で2022年には2013億ドルに達するという。ドローン導入やプログラム開発の価値は明らかになる一方で、需要に応えられるスケーリングと関連する管理は複雑になる。
 こうした需要と混乱を推定して、PrecisionHawkはバリューチェーンとソリューションを強化するために、2社を買収した。Hazonの標準ベースの操作手順とInspecToolsのエンジニアリング力の専門知識を活用して、ドローンで収集したデータ活用して、エネルギー企業に向けた分析プラットフォームを提供していく。

この記事のライター

関連する投稿


BVLOS(目視外飛行)の経済効果をSkylogic Researchがレポート

BVLOS(目視外飛行)の経済効果をSkylogic Researchがレポート

ドローン業界の大手調査会社のSkylogic Researchは、商用ドローンのBVLOS(目視外飛行)における経済効果を発表した。公開されたホワイトペーパーは、PrecisionHawkがスポンサーとなり同社のサイトから無料でダウンロードできる。


DJIが北米における新しい空域データ提供者としてPrecisionHawkを選定

DJIが北米における新しい空域データ提供者としてPrecisionHawkを選定

2018年10月24日、PrecisionHawk,Inc(米国)は、ジオフェンシング技術を向上させるために、民間用のドローンおよび空中映像技術の世界的リーダーであるDJIとの提携を発表した


PrecisionHawkが米国での目視外飛行(BVLOS)の技術プラットフォームを発表

PrecisionHawkが米国での目視外飛行(BVLOS)の技術プラットフォームを発表

米国でドローンを活用したソリューションを展開しているPrecisionHawk社(代表:マイケル・チャゼン)は、最先端の音響検出技術などを組み合わせて、半径10km以内の航空機を識別する目視外飛行(BVLOS)対応ドローンの技術プラットフォームを発表した。(田中亘)


スカイロボット、米 PrecisionHawk社のドローン業務ソリューションの提供開始

スカイロボット、米 PrecisionHawk社のドローン業務ソリューションの提供開始

株式会社スカイロボット(東京都中央区)は、今年2月に提携した米国のドローンソリューション・ベンチャー PrecisionHawk USA Inc.(米・北カロライナ州) のドローン業務ソリューションの提供を5月から開始する。


米国PrecisionHawk社がDroners.ioとAirVidを買収し、ドローンパイロットの最大ネットワークを構築

米国PrecisionHawk社がDroners.ioとAirVidを買収し、ドローンパイロットの最大ネットワークを構築

米国ノースカロライナ州 - 2018年2月8日 - 企業向けドローンの大手プロバイダーPrecisionHawk Inc. は、Droners.ioとAirVidの買収を発表した。買収により、同社は15,000を越えるドローンパイロットのネットワークを形成する。


最新の投稿


高度2万メートルから地球を観測するASTIGAN A3ドローン

高度2万メートルから地球を観測するASTIGAN A3ドローン

英国のAstigan社(航空宇宙分野のイノベーターチームと英国のOrdnance Survey)の合弁事業によって設計および製造されたASTIGAN A3は、高度2万メートル上空から地球を観測する。


【慶大×田村市】高校生が農薬散布機運用へ一歩 2人が訓練、4人がすでにライセンス取得

【慶大×田村市】高校生が農薬散布機運用へ一歩 2人が訓練、4人がすでにライセンス取得

 慶應義塾大学と包括連携協定を締結し、ドローンによる地域活性化に積極的な福島県田村市で、地元の福島県立船引高校の生徒2人が2月13日に、市内で農薬散布機の訓練に取り組んだ。船引高校ではこの2人を含め、すでに4人がライセンスを取得おり、今後もドローンを使って地元への貢献に意欲をみせている。


Saashaのメッセージビデオにドローン ササモモさんに贈る曲演奏中に自撮り 

Saashaのメッセージビデオにドローン ササモモさんに贈る曲演奏中に自撮り 

 ドローンのイベントなどでしばしば起用されるシンガーソングライターのSaashaが、女性ドローン操縦士、ササモモ(佐々木桃子)さんの登壇するトークイベントにサプライズでビデオメッセージを寄せた。その中にドローンが登場するシーンがあり、会場が涌いた。


ササモモさん新チーム名は“L’oiseau bleu(ロワゾ・ブルー)”! 女性活躍の場の創出、拡大目指す

ササモモさん新チーム名は“L’oiseau bleu(ロワゾ・ブルー)”! 女性活躍の場の創出、拡大目指す

 ドローンの操縦士、インストラクター、MCなどとして広く活躍しているササモモ(佐々木桃子)さんは2月14日、新たに発足させたチームの名前を「L’oiseau bleu(ロワゾ・ブルー)」と発表しました。ドローン産業に新たな彩が誕生しました♪


ドローンレース毎日開催「スカイファイト」東京お台場 2月16日(土)オープン

ドローンレース毎日開催「スカイファイト」東京お台場 2月16日(土)オープン

ドローン関連コンテンツの企画、開発、運営を行う株式会社ドローンネット(東京都千代田区)は、東京ベイエリアでオンライン対戦型ドローンレースが開催されるエンタメスポット 「スカイファイト」東京お台場を2月16日(土) にオープン。2月16日、17日に、アクアシティお台場3階アクアアリーナにてオープニングイベント開催。