【InterBee 2018】撮影機材としての性能と用途を広げるドローン

【InterBee 2018】撮影機材としての性能と用途を広げるドローン

2018年11月14日から16日までの3日間。幕張メッセで最新の映像・放送・通信・音響・照明・メディアビジネスの展示会 「Inter BEE 2018(インタービー2018)/[第54回] 2018年国際放送機器展」が開催された。


キヤノンは超高感度カメラ搭載のドローンを展示

キヤノンは超高感度カメラのME20F-SHを搭載したドローンを展示

 キヤノンの展示ブースには、超高感度カメラのME20F-SHを搭載したドローンが展示されていた。ME20F-SHは、重さ1.1kgの超高感度カメラ。被写体照度が0.0005lux以下(ISO感度換算:400万相当)の暗さにも対応する。有効画素数は約226万で、35mmフルサイズCMOSセンサーを内蔵し、キヤノンのEFレンズを取り付けられる。展示の内容は、ME20F-SHをDJI製ジンバルに固定し、DJI Matrice 600に取り付けた状態で置かれていた。キヤノンでは、ME20F-SHをリモートで制御するために、専用のカメラリモート・コントローラーも提供している。展示していたドローンにも、カメラ側の受信機と、プロポ側のコントローラーが取り付けられていた。カメラリモート・コントローラーでは、カメラのISO感度や絞りにホワイトバランスなど詳細な設定を遠隔で制御できる。キヤノンによれば、超高感度カメラは研究や調査などの目的で開発されてきたが、夜間でも月明かりや星明りで撮影できることから、新たな映像表現としてME20F-SHとドローンの組み合わせに興味を示す映像クリエイターからの問い合わせも増えているという。

大光量のドローン照明を開発したY.D.S Pro Shop

 DJI認定ストアのY.D.S Pro Shop(東京都)は、DJI Matrice 600 Proに取り付けるドローンライティングを展示していた。超高輝度LEDライトを4灯使ったドローンライティングは、直視するのが困難なほどの大光量。通常の照明機材では不可能な位置や高さからのライティングを可能にする。同ショップは、以前にもドローンに搭載するLED照明を開発し、ミュージックビデオの撮影などにレンタルした実績がある。今回の新モデルでは、より光量を増した設計になり、照明効果の可能性を広げる。展示されていたドローンライティングは、ほぼ完成版に近いもので、販売ではなくレンタルで提供する。

超高輝度LEDライトを4灯使ったドローンライティング

キヤノン用カメラリモート・コントローラーを開発したPROTECH

キヤノン用カメラリモート・コントローラーを開発したPROTECHの展示

 キヤノンの超高感度カメラで使われていた専用のリモート・コントローラーを開発した株式会社日本ビデオシステム(愛知県)も、キヤノンから借りたプロドローン製のドローンを展示していた。同社はPROTECHというブランドで、プロ用映像周辺機器の製造や開発を行っている。展示されていたプロドローンの機体には、キヤノンの資産管理プレートが貼られていて、展示用のモックアップだと記載されていた。

ドローン用の有線給電ユニットを開発するFUKADEN

ドローン用の有線給電ユニットを展示するFUKADEN

 株式会社フカデン(愛知県)は、100mまでのケーブル長に対応するドローン用の有線給電ユニットを参考出品していた。その特長は、ケーブルの経が細く軽量で、絡みにくく癖がつきにくいこと。また、引張り強度が強く、200℃にも耐える耐熱性がある。電源入力はAC100V(50/60Hz)で、出力電力は最大1000W、出力電圧はDC360V±20Vになる。

ドローンが拓く新しい表現を語るクリエイターたち

 展示ホール内に設けられた企画セッションでは、「ドローンが拓く新しい表現」と題されたパネルディスカッションが開催されていた。登壇者は、株式会社ライゾマティクス ライゾマティクスリサーチの原田 克彦氏に、株式会社シネマレイ 代表取締役の増田 勝彦氏、一般社団法人日本ドローンレース協会(JDRA) 副代表理事の横田 淳氏、そして株式会社ヘキサメディア 代表取締役の野口 克也氏。
 原田氏は、様々なテクノロジーを活用した視覚表現を追求する取り組みの一環として、ダンスとドローンを組み合わせたパフォーマンスを製作したエピソードについて語った。横田氏は、過去に50台以上のドローンを自作し、ドローンレースの魅力に取り憑かれた経緯などを話した。野口氏は、学術調査で噴火中の島をドローンで撮影した映像を紹介し、パイロットや空撮への憧れから、ドローンと出会い空撮カメラマンになった背景を説明した。そして、増田氏はマイクロドローンと超小型カメラを組み合わせて制作したオンナノコズという動画誕生のアイディアを披露した。セッション会場には、多くの映像製作に携わるクリエイターたちが集まり、4名のパネルディスカッションを熱心に聴いていた。

左から
株式会社ライゾマティクス ライゾマティクスリサーチの原田 克彦氏
一般社団法人日本ドローンレース協会(JDRA) 副代表理事の横田 淳氏
株式会社シネマレイ 代表取締役の増田 勝彦氏、
株式会社ヘキサメディア 代表取締役の野口 克也氏。

 InterBeeといえば、2016年にDJIのInspier 2を披露した場としても話題になった。しかし、今年の展示会場にはDJIや関連する企業の出展も少なく、ドローンのデモフライトなどの演出も見られなかった。ドローン関連で多くの来場者の関心を集めていたのは、企画セッションのみで、3日間で4万人以上が来場したInterBee 2018では、4Kや8K関連の機材やデジタルコンテンツなどが中心だった。それでも、ドローンを活用した新しい映像表現を求めるクリエイターたちに向けて、カメラやライトなど撮影機材としての新たなドローンの役割を提案する各社の取り組みが印象的だった。

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