【慶大ドローン】ドローンレースチームDMM RAIDEN RACINGが登壇 資金も客も集まるリアルな欧州事情など紹介

【慶大ドローン】ドローンレースチームDMM RAIDEN RACINGが登壇 資金も客も集まるリアルな欧州事情など紹介

 ドローン研究に力を入れている慶應義塾大学で、プロドローンレースチーム「DMM RAIDEN RACING」の選手らが教壇に立った。大学院生向けのKPMGコンサルティングによる寄附講座「eSports論」の一環で、最年少の中学生、鈴木匠選手ら3人が、世界を転戦した感想や、世界と日本のレース環境の差について説明した。


小寺代表、高校生・阿佐美選手、中学生・鈴木選手が登壇 「海外の選手、子供が多い」に「へえ~」

 講義は11月15日、神奈川県藤沢市の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで行われた。登壇したのは「DMM RAIDEN RACING」を運営するドローンスポーツ株式会社の小寺悠代表と、高校生プロレーサー、阿左美和馬選手、中学生のプロレーサー、鈴木匠選手の3人。チームは世界の主要都市を会場に転戦する「Drone Champions League」に日本の唯一のプロチームとして参戦しており、小寺代表は、日本では一般になじみの薄い「Drone Champions League」について、「世界最高峰のレースで、クルマでいうF1にあたる。ヨーロッパではF1のように市民に広く受け入れられているし、プロスポーツということで資金も集まり、お客さんも集まるし、見せ方もカッコいい」と、日本と欧州など海外でのドローンレースに対する認識の違いを説明した。

 ドローンレースは各チーム4人で対戦する。RIDENが中学生の鈴木選手とプロ契約した理由について、小寺代表は「速いから」と実力本位で選んだことを強調。「中学生だから、また高校生だから、という理由で選んだわけではない。スポーツなので勝つことが重要。中学生の匠(鈴木選手)も高校生の和馬(阿佐美選手)も国内のレースでは数々の実績を積んできた」と念を押した。

 国内のレースと海外のレースとの違いについて、阿佐美選手は「規模が違う。海外ではコースの作り方や、その見せ方にまで力を入れている」と説明。鈴木選手が「海外の選手は全体的にレベルが高い、また選手に子供が多い」と話すと、出席した学生から「へえ」と声があがった。

 講義の中ではレースで使う機体も披露。阿佐美選手は「これは、パーツや部品を買ってきて、自分で組み合わせて作りました」と話すと、小寺代表が「だから彼らはハンダ付けがめっちゃうまい」と補足した。

 ドローンの操縦技術について、阿佐美選手は「プロの上手な選手はバッテリーの消費も考えて飛ばしている。ただスピードを出すだけだと、それだけバッテリーを早く消費してしまいレースに影響する。バッテリーのことを考えるのは重要」と解説した。

 講義は「サイバーフィジカルとeスポーツ〜リアル空間をサイバーに捉えるスポーツ〜」がテーマ。講義を担当している政策メディア研究科特任助教(ドローン社会共創コンソーシアム副代表)の南政樹氏は、「サイバーフィジカルなスポーツ、ということでドローンレースを取り上げた。物理的なものをゴーグルをのぞきながら動かすたぐいのスポーツかと思いきや、シミュレーター(模擬体感装置)がよくできていて、ゲームの世界のようでもあり、現実の世界でもあるという両方の特性をもっている。すでにドローンレースをeSortsと位置付けるとらえ方もあり、eSportsを考えるうえで重要な視点」と解説した。

 なお、講義の冒頭、南氏は中学生である鈴木選手が登壇することに関連し、「中学生が大学院の講義に登壇することが話題になっているが、ここは慶應義塾。先に学んだ者は、後から学ぶ者に教え、自分自身はさらに前を行く者から学ぶという学びの環境つくっていく」と述べ、年齢の上下にとらわれずに学ぶことの重要性を説明した。

慶大大学院の寄付講座に登壇したドローンレーシングチーム「DMM RAIDEN RACING」の小寺悠代表(右)、阿佐美和馬選手(左)、鈴木匠選手(中央)。右端は南政樹ドローン社会共創コンソーシアム副代表

講義の中で披露されたレース用の機体

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