カーシエル が仏セルベア社のアンチドローンシステム公開

カーシエル が仏セルベア社のアンチドローンシステム公開

カーシエル株式会社(東京都中央区)が、仏セルベア(CerBair)社のアンチドローンシステムを関係者に紹介。


 少子高齢化による人手不足が喫緊の問題となる中、技術的な解決策のひとつとしてロボティクスやドローンの技術活用が注目されている。一方、シリアやイラクの紛争地域では、ドローンによって爆弾が投下されるなどテロリストのツールに利用され脅威となっている負の面もる。
 カーシエル株式会社(東京都中央区)は、今回、仏セルベア(CerBair)社のアンチドローンシステムを関係者に紹介した。セルベア社のアンチドローンシステムは、シャルル・ド・ゴール空港やサッカースタジアムなどで使われ、効果をあげている。他にも原子力発電所の警備にも有効という。

田中電気グラウンドに設置されたモバイルタイプのアンチドローンシステム=11月26日、埼玉県さいたま市

 来日したセルベア社のルーカス・ル・ベルCEOは、ドローンによる脅威について、① 爆発物を運び、上空からそれを投下するテロを目的としたもの、②刑務所内に麻薬などの違法薬物を運搬する、③ヘリや旅客機など有人機との衝突、④覗きなども含む、情報ハッキングといった行為をあげた。これに対する対抗策は、①ドローンおよび操縦者の位置を探知、②そのドローンの目的を知り、③怪しいまたは問題がある場合は無力化することが必要となる。
 セルベア社のアンチドローンシステムは、HydraというRF(高周波)センサーが使われている。これはドローンとコントローラ間でやりとされている電波の限定的なパターンを読み取って検知、識別するシステムだ。これによって、飛行しているドローンとコントローラの位置を検知する。ドローンとコントローラのコミュニケーションを探査するため、一般で使用されているBluetooth、 wifiといった無線LANなどと混同することがなく、空港や多くの人々が集まるスタジアム、都市部などの電波環境が厳しい環境でも検知率が95%以上となっている。
 検知するものは、WiFi、GPSでコントロールされている商用ドローンと2.4/5.8GHzなど一般的なコントローラ。

システムを説明する仏セルベア社のルーカス・ル・ベルCEO(左)とカーシエル の安藤浩平社長。

 ドローンの無力化に関しては、日本国内の電波法の関係でセルベア社のドローン無効化システム「Medusa」のデモは行われなかったが、緊急対応としてFail Safeモード、RTHモード、ホバリングモードがあり、非緊急対応としては単純落下させることができるとしている。
 このシステムは大規模なインフラに有効な固定型とモバイル型、イベントなどでザックに入れて動きながら使用することがことができるポータブル型や車の上に設置するものが用意されている。

 今回行われたアンチドローンシステムのデモでは、Chimera Mobileでドローンの「探知」を行った。
 最初に、世界の8割ほどのシェアを持つDJI製のドローン1機を飛行させ、システムの動作状況を見せた。使用機材はInspireとPhantom 4をそれぞれ使用した。今回デモ会場とした埼玉県さいたま市の田中電気グランドは、サッカー場ほどの広さがあり、操縦者は探知アンテナから離れた一角から操縦を行った。
 ドローンを離陸させると直ちにシステムのディスプレイ場の衛星地図上にアンテナを基点とした探知パターンが示され、コントローラ(操縦者)の方向と飛行しているドローンの方向がリアルタイムで表示された。今回はLevel3のディレクションファインディング探知で、半径1Kmから2Kmの範囲の中を、±10°の精度で方向が示され、ドローンと操縦者を特定した。ディスプレイには、赤く示されているのがドローンの飛行している方向、黄色がコントローラ(操縦者)の方向で、明確だ。

赤がドローン、黄がコントローラ(操縦者)の方向を表示している。

 センサーを複数にしたLevel4のロケーションファインディング探知は、今後リリース(2019年1月予定)のようだが、半径1Kmの範囲でドローンとコントローラ(操縦者)の位置を局所的に探知するという。
 次にDJI製ではなく警備・防犯・防災・セキュリティを行うCSPセントラル警備保障株式会社(東京都新宿区)が開発したオリジナルドローンを飛行させ、その探知性能を調べた。コントローラもオリジナルだが、これも問題なく検知した。ルーカス・ル・ベルCEOによると、商用ドローンであれば検知は可能だが、トイドローンなどは脅威とはみなさないため検知しないという。
 最後は複数のドローンを飛ばしても各々確実に検知することが実証されたが、これもそれぞれのドローンとコントローラ(操縦者)の位置を特定することができた。

複数ドローンが飛行する方向を示している。

 カーシエルの安藤浩平社長は、2019年に日本で開催されるG20でもこのシステムの採用が検討されていることを明かした。

ザックに入れ、動きながら探知ができる行うポータブル型。白いトリガーをドローンに向けてジャミングする。

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