【慶大ドローン】慶大南氏、西日本豪雨被災地での取り組みを「SI2018」で発表 徳島大・三輪氏、青学大・古橋氏らと連名

【慶大ドローン】慶大南氏、西日本豪雨被災地での取り組みを「SI2018」で発表 徳島大・三輪氏、青学大・古橋氏らと連名

 慶大ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表は12月13日、大阪市で開幕した「第19回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会」(SI2018)で、自然災害被災地でドローンを地元に役立てる取り組みについて、経験や知見を体系化して発表した。


「無人航空機(UAV)を用いた西日本豪雨の広域被災状況調査」

 南氏の講演は、「無人航空機(UAV)を用いた西日本豪雨の広域被災状況調査」で、徳島大・三輪昌史准教授、青山学院大古橋大地教授、防災科学技術研究所・臼田裕一郎氏、藤沢航空撮影隊・下田亮氏、SkyLink Japan・稲田純次氏、広島市安佐北区役所・塚田忠則氏が共同作業であることを報告された。

 講演は「レスキュー工学」の領域の中で、災害現場で障害物を乗り越えるロボット技術の実験や、山深い山林内での遭難者を発見し駆け付けるコンテストへの参加報告などの報告の一環として行われた。

 南氏は、報告内容を「実験ではなく実践である」と位置付けたうえで、7月の西日本豪雨の発災以降、被災地に名を連ねた研究者らとともに被災地に赴き、ドローンによる空撮で得られた写真を使って地図を作り、二次災害防止などを目的に、地元住民、自治体、ボランティア団体などに提供する取り組みをしてきた経緯を説明。そのさい「(住民、ボランティアらが)自律的に判断ができる情報を提供すること重視した」と述べた。

 発表の対象となった活動の期間は発災後72時間経過後。リスク要因は、地滑り、土石流を列挙。データ収集の取り組みは、高度150メートル、50メートルでドローンによるリモートセンシングで行われた。自治体には復興計画の策定に役立つよう、写真測量で得られたオルソタイル、写真、その他のデータを提供。住民には、一覧性を優先し、紙に印刷したり、ディスプレイで作業風景、作業で得られた映像、画像を見せたりといった取り組みを行ったと報告。

 ドローンで収集したデータの処理には、SfMを活用。住民や地域の需要にこたえるため三次元化するなどに取り組んだが、「必要な処理には今回は4、5時間かかった」と時間短縮の方法の模索を課題として示した。一方で「時間がかかっても提供する情報には意味がある」とも述べ、たとえば、オープンストリートMAPと重ねた地図を示したところ、被災者が自宅が崩れたことを被災先で確認できた(逃げていて助かったことが確認できた)り、ドローンを2機活用して島をまるごと空撮した取り組みでは、それまで地元行政が確認できていなかった土砂崩れを確認できたりした、といったことをあげた。

 南氏はこの実践を通じて「いろんなオプティマイズが必要だな、とわかった」と報告。今後、データのクレンジングの自動化、データ量の削減、移動しながらの写真測量に取り組むと今後の方針を述べた。

 SI2018はシステムの高機能化、複雑化に伴いあらわれるさまざまな問題を解決し、システム設計論を構築するために、システムインテグレーションの技術者、研究者が集まり、発表、講演、討論する場として、公益社団法人 計測自動制御学会 SI(システムインテグレーション)部門が企画、主催した。12月15日まで、大阪工業大学梅田キャンパスで開かれている。

SI2018に登壇し鳥海を発表した南政樹氏(注:背景の張り出しに「撮影禁止」と記されていますが、DroneTimesは主催者に許可をとって撮影をしました)

Si2018の南氏の発表が行われた会場は、多くの研究者、技術者がつめかけた

講演後に発表の共同制作に名を連ねた徳島大・三輪昌史教授(右)と意見交換。三輪氏はSI2018で「レスキュー工学」領域を取り仕切り、自身も遭難者の救難活動に関する発表をした

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