【東日本ドローンサミット報告】FLIGHTS長嶋氏、DroneFund大前氏、トライポッド佐々木氏が登壇!

【東日本ドローンサミット報告】FLIGHTS長嶋氏、DroneFund大前氏、トライポッド佐々木氏が登壇!

 見て、触れて、飛ばして、語りえるドローンの総合イベント「東日本ドローンサミット in J-VILLAGE」が、福島県楢葉町の“サッカーの聖地”、Jヴィレッジで開催され、研究、空撮、点検の各分野の第一人者が意見を交換する「サミット」では、いまのドローン産業をけん引する3人が登壇した。


「5年後のドローン前提社会」がテーマ 後半に慶大南氏を迎えパネルも

 第一人者がひとつのステージに集まることで目玉企画となった「サミット」は、Jヴィレッジのコンベンションホールで開催された。司会を株式会社ドローンママの飯原夏子代表が務め、冒頭、Jヴィレッジの上田栄治副社長(元なでしこジャパン監督)が「ドローンのことには詳しくはありませんが、大きな期待を寄せております。サミットを通して新しい出会いが生まれることを期待しています」とあいさつした。

 登壇者の3人はその後、それぞれの最新の活動上お経などを報告。一番手として株式会社FLIGHTSインダストリアルマネージャーの長嶋友紀氏が登壇し「ドローン×点検」をテーマに講演した。

 長嶋氏は「インフラの耐用年数はだいたい50年。2020年時点で、道路の4分の1が耐用年数を迎える。河川、湾岸岸壁もそうだ。作業は現在、職人が人手で行っている。人口減少、高齢化の中で作業に必要な要員の確保が難しく、作業の打診を断らざるを得ないケースが出ている。インフラ点検は従来の事後型管理から、作ったものを長持ちさせるストックマネジメントに転換させる考えが重要になる。ドローンには、費用削減、安全性向上などのメリットがある。ドローンでコストを圧縮し、頻度を高めて、危機的状況を乗り切ることが重要だ」と述べた。

 2番目にDroneFundの共同代表パートナーで、ドローングラファの大前創希氏が登壇し、「ドローン×地方創生」について講演した。

 大前氏は「オフィシャルに発信したSNS動画をみる人は、結局、発信者の関係者だったりする。域外に発信したいのに、これでは意味がない。一方で、人気インスタグラマーと組んで、同じ地域の動画を発信してもらったら、見ていただけた回数が爆発的に増えた。誰が発進したか、がどれだけ大事か、ということを教えてくれる。それから個人視点を目指すことにした。自分視点で発信してくれる人とはだれか。そこでドローンの愛好家の方を巻き込むことを考えた」と自身の経験を紹介。

 その結果、「そうすると今度は撮影場所を確保できるかどうかが課題になる。いわゆる『ドローン映え』のする美しい絶景地を、どうすれば滞りなく撮影できるのか。それを解決するためのソリューションが多くのドローンユーザーに必要であることを痛感し、私がかかわるドローンエモーションで『そらチケ』というサービスの提供を始めた。登録エリアであれば、簡単にエリアオーナーの撮影許可が得られ、保険もつく。地方創生に向けて、ひとつの方法として提案している。旅の目的がドローン撮影、ということも起こりうる。それによって地域の魅力の発進にもなると考えている」と、新サービスが生まれるまでの経緯や、それが地方創生に役立つ可能性について説明した。

 3番目に登壇したのは、トライポッドワークス株式会社の佐々木賢一代表が登壇。「ドローン×IT」について、5Gや超高感度カメラとの相性を中心に、掛け合わせによって大きな展望が描けると述べた。

 佐々木氏は「ドローンは典型的なエッジデバイス。注目しているのは5Gで、ドローンの性能を大きく拡張させると考えている。都心部から1年前倒しで実現していくとみている。高速大容量で低遅延での伝送が可能になり、ハイビジョン番組の16倍の解像度を持つ8K企画の映像も送れるようになる。上空150メートルの映像もほぼ遅延なく地上でみられる」と期待を寄せた。

 さらに大手メーカーに超感度カメラをドローンに搭載した実験を紹介。そこで撮影した映像をスクリーンに投影しながら、「道路が映っているが、これは肉眼では暗闇にしかみえない照明のない深夜の撮影。のり面には芝の緑と土の色が確認できる。崩落も亀裂もないが、貴重な情報である色彩をこれで得られる。またこちらは夜間の牧場だ。牛が深夜に活動している様子が分かる。これにAIを組み合わせれば、さまざまな解析が可能になる」と述べた。

 3人の登壇者は再びパネルディスカッションで登場。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム副代表、南政樹氏が「ドローンである必然性」などのテーマを提示し、登壇者がそれぞれの立場から見解を披露した。

Jヴィレッジの再始動を願いを込めた開催

 東日本ドローンサミットは12月1、2日に、統一テーマを「サッカーの聖地が見据える5年後のドローン前提社会」に定めて開催された。事務局を務めた株式会社スペースワンは過去3回、「福島ドローンサミット」を開催し、ドローン愛好家や関心層を集めてきており、今回はその実績もふまえ、福島県や東北地域の復興、復興拠点から再度、スポーツの聖地としての役割を果たし始めたJヴィレッジの再始動をけん引する役割も担う開催となった。

 事務局を株式会社スペースワンが担い、同社と株式会社フライト、ドローンジョプラス、DroneTimesが実行委員会を編成して開催の準備を進めてきた。第一人者が登壇する「サミット」のほか、Jヴィレッジの持つ広い敷地、全天候型練習場Jヴィレッジドームなどを生かして、空撮講座、農薬散布、フリーフライト、初心者向けの体験会など多くのプログラムが盛り込まれた。1日の夜には、一足早い忘年会替わりに、「ドローントークPIT in J-VILLAGE」が開催された。

 「サミット」会場は多くの来場者でにぎわった

パネルディスカッションでは慶大・南政樹氏をファシリテーターに討論が繰り広げられた

サミットに登壇した(左上)佐々木氏、(左下)長嶋氏、大前氏が来場者を魅了するトークを繰り広げた

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