乾杯の発声はデニム姿のORSO坂本代表
鈴木理事長はあいさつの中で、JUIDAの近況を報告。会員が1月22日時点で7877人、認定スクールが211と規模が拡大している現状を伝え、自動車学校からの転身の拡大が規模拡大に寄与していると分析した。また国際標準化機構など国際的な取り組みも加速していて「JUIDAの役割はますます重くなっている」と今後の取り組みに決意をにじませた。
パーティーでは、JUIDAの認定校第1号であるロボティクスアカデミーの創設に携わった株式会社ORSOの坂本義親代表が乾杯を担当。普段通りのデニム姿で登壇した坂本代表は、「いつもながらの格好でよいとお話を頂き、一番ビリビリのデニムを補修して参りました」と切り出し、会場の笑いを誘った。
壇上にパーティーに招かれた国会議員、中央省庁幹部、JUIDA役員も並んだことから、坂本代表は事前に準備したスピーチのメモを手にしながらも「これをお話する雰囲気ではないので、手短にすませます」と、再び笑いをとり、メモを読まずに「JUIDAのみなさま7月には5周を迎えます。おめでとうございます。第一弾となるロボティクスアカデミーの立ち上げに、2015年にたずさわり、初年度で100人を輩出しました。いまはJUIDA理事長である鈴木先生の研究室で、東大ドローンプロジェクトとして非常勤講師を受け持っています。教育、啓蒙はドローンにとって一番重要であると認識し、その思いでこれからも活動したいと思います」と決意を述べ、産業の発展を祈念して乾杯を発声した。
また無人航空機普及・利用促進議員連盟(いわゆるドローン議連)の田中和徳会長代理(自民党衆院議員)は、「JUIDAのパーティーは年々盛大になっていることをお慶びも仕上げます。新しい時代を切り開くため、懸命に努力されていて、実績が出ていることに、感謝と御礼を申し上げます。日本が利活用の面で世界のトップリーダーとなれるよう、さらにお力添えをお願いしつつ、われわれもサポート役を務めてまいります。行政の方も、産学官みんなでがんばれば結果が出る。政治家は後追いにならないよう、空飛ぶ自動車も含めがんばっていますので、なんなりとおっしゃっていただきたいと思います。お願いがあるのは、日進月歩のドローンではみなさんからのサジェスチョンが大事ですので、ぜひお寄せ頂きたいということです。世界トップレベルの情報とアイデアで勝負したいと思いますので、よろしくお願いします」とあいさつした。
JUIDA鈴木真二理事長のあいさつは以下の通り
あけましておめでとうございます。1月になり少し時間がたちましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。新春パーティーは毎年開催しておりまして、年々多くの方にお越し頂けるようになりました。
最近のJUIDAの状況をご説明します。おかげさまをもちまして、JUIDAの会員は(2019年)1月22日の段階で7877人。8000人は間近ですし、1万人を目指すとなると、難しいかもしれませんが、9000人はいくのではないか、と思っております。全国の認定スクールは最新の状況で211です。特に自動車教習所で開校するところが増えていまして、それが認定校の急増と、会員の増加につながっているわけです。
私どもはドローンの国際的な連携を強化しておりまして、ISOの活動も推進しています。各国のドローンの協会、団体とMOU(了解覚書)を結んでおりまして、すでに18機関と連携しております。海外認定校もできました。
(スライドを指差して)これが・・・字が小さすぎてよめないと思いますが(笑い)…ISO(国際標準化機構)で今、無人機の国際標準化という活動が進んでおります。JUIDAはオペレーション、トレーニングの標準化について、これはイギリスの方が取りまとめしていますが、そこでJUIDAも積極的に情報を出して進めているところです。ISOは4グループありますが、グループ1は全体のまとめ。グループ2が機体システム、グループ3がオペレーションやトレーニングに関することで、JUIDAが活動しているのも、ここです。それから新しく4がたちあがりまして、これはJUTM(一般財団法人総合研究奨励会日本無人機運行管理コンソーシアム)というコンソーシアムが代表になって、無人機のための航空管制システムを標準化しようと、日本が中心となって活動しています。最近では地理情報、気象情報もUTMにのせて標準化を目指しておりまして、これも日本がリードして検討が進んでいます。
次のスライドはISOの日本大会が昨年11月に開催されまして、レセプションのさいに、無人機の委員会の代表しておられるアメリカのジョン・ウォーカー議長と、私が話をしているところです。レセプションをJUIDAが主催することで、みなさんと世界の方々と日本の方々の橋渡しにJUIDAが貢献できたと思います。
それから、これはつい1週間前の様子です。福島ロボットテストフィールドが建設されていることは、みなさまもお聞きになったことがあろうかと思いますけれども、そこの慣らし事業、ということで、JUTM、JUAV(一般社団法人日本産業用無人航空機工業会)も一緒になって、福島県から受注を頂き、JUIDAがとりまとめをやらせて頂いております。この日は1月として奇跡的に天候のいい、穏やかな日で、各団体それぞれが役割をもって取り組み、いわゆる目視外飛行をより容易に実現するために、さまざまな実証ができるように計画をして、これを無事に終えることができました。
当日は石田真敏総務大臣が福島までお越しになりまして、われわれの実験の状況をご視察頂きました。このようにJUIDAの役割はますます重くなってきており、私共一同、責任を果たせるように、活動してまいります。
さて、われわれは毎年、目標を立てております。2014年にJUIDAが発足したときでしたので、『JUIDA元年』でした。2015年は『ドローン実用化元年』と目標を立てたわけですが、この年はご存知の通り、首相官邸の屋上で不審なドローンが見つかりました。ドローンをちゃんと法規制の下で使っていこうと規制強化がされたわけですが、逆にいえば、ちゃんと使える環境が整ってきたといえるわけで、『実用化元年』の目標が達成されたと思っております。
次の年(2016年)は『ドローン活用元年』でした。さまざまな分野、とくにi-constructionでは測量などで実用化が始まり、利用が広がったと思います。(2017年は『ドローン事業化元年』)
昨年(2018年)は、政府がドローンによる配送を可能にしよう、と目標を掲げましたので、それを実現するというのが、2018年の目標でした(『ドローン物流元年』)。
今年はイノシシの年ですが、飛翔、飛躍の年です(『ドローン飛躍元年』)。ドローンはわれわれが考えていた以上に、飛躍を遂げようとしています。これは昨年開かれた官民協議会で、私が発言している写真ですが、大型のドローンや、世界では人を運ぶパッセンジャードローン、こういったもののもボーイング、エアバス、ベルといった、航空の大企業がこれに取り組むといった状況がすでにおきています。我が国がこれに、置いて行かれないように、なんとか、がんばらないといけないということで、ロードマップも発表されております。ドローンとの親和性も強いので、われわれもなんらかの貢献ができるのではないかと考えています。
これが最後の写真です。毎年、みなさんにはじめての写真をご覧いただこうと思っているわけですが、これは、ターゲットドローンです。マリリン・モンローが標的機を作っていた、という写真をご紹介しましたけれど、このターゲットドローンですね、イギリスで作ら得て、アメリカで実用化されて、戦時中に9000機ほど製造されました。実は日本でも、無人機が九四式水上偵察機のうえに無人の水上機が乗せられていて、空中で切り離されて遠隔操作でターゲットドローンになったということで、飛行試験に成功したというデータも残っています。こういうものが日本で作られたということを、誇りに思って取り組んでいければ、と思っています。
JUIDAはこれからもUASの産業振興にむけて活動していきますので、よろしくお願いします。