「500Startups Japan」から「Coral Capital」へ 新ブランドの2号ファンドと会社設立を発表

「500Startups Japan」から「Coral Capital」へ 新ブランドの2号ファンドと会社設立を発表

 ベンチャー投資ファンド500 Startups Japanのメンバーは「サンゴの日」の3月5日、2号ファンド「Coral Capital」を組成したと発表した。出資者にはDroneFundの千葉功太郎氏、みずほ銀行などが名を連ねる。同名の株式会社の設立も発表、より日本のスタートアップが成長する環境を整える。


1次募集で50億円 千葉功太郎氏、みずほ銀行、J-Powerも

 発表会では500 Startups Japanで代表兼マネージング・パートナーを務めてきたジェームズ・ライニー氏、マネージング・パートナーを務めてきた澤山陽平氏が登壇。Coral Capitalには、ジェームズ・ライニー氏がファウンディング・パートナー兼CEOに、澤山陽平氏がファウンディング・パートナーに就任したほか500 Startups Japanのチームメンバー全員が参画する。

 2号ファンドの正式名称は「Coral Capital Ⅱ,L.P.」。すでに1次募集でファンド総額(出資約束金額の総額)が当初目標の50億円に達した。みずほ銀行、三菱地所、著名投資家の孫泰蔵氏、Paul Kuo氏、千葉功太郎氏が1号ファンドに引き続き投資したほか、新生銀行、J-POWER(電源開発)のほか、日本、シリコンバレー、シンガポール、香港で影響力を持つ個人投資家や運営ファンドが2号ファンドに投資を決めたLP投資家に名を連ねた。また「ファンドの半分近くの金額を大手機関投資家から投資いただくことができた」(ジェームズ・ライニー氏)という。

 ファンド名は、「海の生態系の基盤を支えるサンゴ礁(Coral)のように、起業家たちを育む基盤になりたいとの思いから」と由来を説明。理想と決意を記した「マニフェスト」には「サンゴ礁は海洋面積の0。25%しか占めていませんが、全海洋生物の25%の生命を支えています。何百万種類もの海洋生物に食と棲み家を提供するサンゴ礁は、まさに海洋生態系の基盤です」と、サンゴ礁の姿を今後の抱負と重ねあわせる説明がなされている。ジェームズ・ライニー氏は、「社会をより良く変革する起業家を支援していく組織」と抱負を述べた。

2号ファンド「Coral Capital」 の組成と会社設立を発表するファウンディングパートナー兼CEOのジェームズ・ライニー氏

投資対象はテクノロジー未活用のレガシー領域

 500Startups Japanは米500Startupsのサポートを受けて2016年2月に約38億円で日本での1号ファンドを設立した。シリコンバレーのノウハウを日本に持ち込んだことで注目され、シード資金調達のための投資契約書として開発、無償公開したJ-KISSは、現在はシード投資の基盤のひとつとして定着している。

 また、起業家向けの勉強会やカジュアルな集まりを開催してコミュニティを形成したり、シードの次のステージに入った段階での資金調達を支援したり、キャリアイベントを開催して採用を支援したりと、「シリコンバレーのノウハウを持ち込み、それを少しずつ日本の環境にあわせてアレンジしてきた」(澤山陽平氏)。

 これまで3年間で43社に出資。それが呼び水となり、投資先の調達額は累計150億円を突破している。領域はさまざまだが、澤山氏は共通点があるという。「それはいずれもテクノロジーの活用が進んでいない大きな市場を変革するようなスタートアップであること」だ。「テクノロジーを活用すればまだまだ変革できる。ただし一筋縄ではいかない。そんな領域に挑む起業家を支援している」というのが、いまの基本方針だ。

 今後も方針は維持する。澤山氏は「Coral Capitalもすべて、これまでの延長線上にある。投資先のセクターも、これまでのように決めない。テクノロジー未活用領域を支援する。日本の起業家向けに、ファンドレイジング、採用、PRやマーケティング、コミュニティの大きく4つの支援プラットフォームで起業家を強くしていく」と起業家本位で支援する姿勢を明確にした。

 新ファンドのスローガンとして「戦略的に、未来へ」を策定。澤山氏は「未来を漠然と待つだけではなく、未来に向かってただやみくもに走るわけでもなく、自分たちの作りたい世界を作るために、粘り強く戦う起業家を支援しようと思っている」とこの言葉に込めた思いを説明した。

新ファンドCoral Capital の投資方針などについて説明する澤山陽平ファウンディング・パーナトー

米500Startupsがメッセージ「今後も楽しみに」  投資先企業も感謝と期待

 発表会では米500StartupsCEO兼共同創業パートナーChristine Tsaiのビデオメッセージも流された。その中でChritine Tsaiは「500Startups Japanを立ち上げた2人が、Coral Capitalを立ち上げる挑戦を始めると聞きとても期待している。今後も500StartupsはCoral Capitalと新しい取り組みができることを楽しみにしている」とメッセージを寄せた。

 発表会の後半に登壇した、投資先であるKAKEHASHI(東京)の中尾豊代表取締役CEOは「澤山さんはテクノロジーもわかりファイナンスもわかる。ジェームズはロジカルでありながらアートな部分もある。起業家のことを理解して適切なディスカッションができ、投資家、起業家の関係を超えた友情が生まれることもある。この文化を引き継いでいくと思うので、期待している」とエールを送った。

 株式会社Holmes(ホームズ、東京)の笹原健太代表取締役は「これまで津田さん(=津田遼タレントマネージャー)をはじめ、みなさんに営業支援、採用支援でお世話になってきた。採用支援では責任者人材の採用につながってもいる。今後も強化して頂きたい」と期待を表明。

 株式会社SmartHR(東京)の宮田昇始代表取締役は「レガシー業界のスタートアップにもっと出資をして頂きたい。そういうところと連携ができれば、もっと便利にできると思う。またもっとアグレッシブに、新しい風を吹きこんでいただきたい。いい刺激になるし、楽しく働ける」と要望した。

KAKEHASHI:
https://www.kakehashi.life/

株式会社SmartHR:
https://smarthr.co.jp/

株式会社Holmes:
https://www.holmescloud.com/

発表かい後半では投資先企業が登壇しレガシー領域の実態やCoral Capital への期待などについて話し合った。左からジェームズ・ライニーCoral Capitalファウンディング・パートナー兼CEO、SmartHRの宮田昇始代表取締役、KAKEHASHIの中尾豊代表取締役CEO、Holmesの笹原健太代表取締役、Coral Capital の津田遼タレント・マネージャー

2号ファンドの投資家も応援にかけつけた

500Startups JapanのサイトではCoral Capital の設立が報告されている
https://500startups.jp/

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