より安心できるドローン飛行のためにセキュアドローン協議会が新たなセキュリティ技術を提唱

より安心できるドローン飛行のためにセキュアドローン協議会が新たなセキュリティ技術を提唱

一般社団法人セキュアドローン協議会(東京都港区、会長:春原 久徳)は、ドローンの業務活用におけるセキュリティ技術実装のための実証開発に取り組み、その技術をJapan Drone 2019の会場で公開した。


究極のドローン管理を可能にする電子証明書を活用したセキュリティ対策

 昨年、英国の空港で発生した不法ドローンの飛行による空港の閉鎖をきっかけとして、海外では商用ドローンの飛行管理を徹底する動きが加速している。最近でも、米国のKittyhawkがドローンのリモートIDに関するホワイトペーパーを公開し、UTMサービスを提供するAirMapやUniflyなども、運行管理に加えて飛行を許可するドローンの機体を固有のコードで管理する取り組みを進めている。さらに、Japan Drone 2019の会場でも、NTTドコモが携帯通信用のSIMを活用したドローンの管理システムを提唱している。
  一般社団法人セキュアドローン協議会でも、産業用ドローンを安全に利用するには、ドローンを操縦し管理するパイロットとドローン本体の保護および取得情報のセキュリティ対策が必要であると考えている。しかし、ドローンを自動操縦により飛行させるPCやスマートデバイスとの間には、特別なセキュリティ技術は実装されていないのが現状。そのため、同協議会が2018年3月に公開した「ドローンセキュリティガイド」では、ドローン本体とプロポ間の通信は、基本的にWi-Fiで通信されており、SSIDとパスワードのみで接続されていると指摘している。ドローン利用にあたっては、工場出荷時のSSID、パスワードが利用されているケースが多く見受けられ、これはWi-FiルータやWebカメラ、監視カメラで課題となっているケースと同様に、セキュリティのリスクが非常に高く、ドローン本体とPCやスマートデバイス間の通信には暗号強度の低い技術が使用されているため、セッションハイジャック(乗っ取り)の危険性がある。こうした課題を解決するには、操縦者や管理者の認証と同様に、ドローン本体との認証にも、電子証明書などを利用したセキュアな認証技術の実装が必要になる。

会場に展示されていた実証開発のシステム構成
一番奥のモニタの画面にはRaspberry-piに実装したクライアント認証システムが表示され
中央のPCは電子証明書を発行し
承認された手前のPCがドローンの飛行を制御するMission Plannerを稼働させていた

電子証明書による認証を実装し強固な安全性を確保する取り組み

 一般社団法人セキュアドローン協議会が公開した実証開発では、ドローン本体とPCの間の認証をSSIDとパスワードのみではなく、電子証明書による認証を実装した。その結果、正しい電子証明書を所持するPCのみがドローンに接続できることを実証した。セキュアIoTプラットフォーム(SIOTP)協議会では、日本の産業界の知見を集約し、IoT機器の製造段階からサービス層までを包含したセキュリティ標準化の取り組みを推進している。今回の実証開発にあたっては、SIOTP協議会が策定を行うICチップやデバイス層に求められるセキュリティ機能や仕様に基づき実装を検討し開発した。
 会場に展示されていたシステムは、オープンソースのフライトコントローラーとRaspberry-piに実装したクライアント認証システムをシリアルケーブルで接続し、電子証明書による認証とアクセス制御を許可されたPCから、Mission Plannerによる制御コマンドの送信やフライトデータの書き込みを行っていた。
 オープンソースソフトウェア(OSS)をベースとした、ドローンや各種センサーの産業利用にあたっては、製造段階からセキュリティ技術が実装された安心・安全な利用環境が求められている。今後もSIOTP協議会と連携・協力によりドローンやロボテックスなどの分野において、共同で実証実験を実施していく予定だという。



【セキュリティ技術実装に関する問い合わせ先】
一般社団法人セキュアドローン協議会 事務局
Tel: 03-6234-3800
メール: info@secure-drone.org

公開された実証開発の概要

この記事のライター

関連する投稿


【ジャパンドローン2018】ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは

【ジャパンドローン2018】ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは

一般社団法人セキュアドローン協議会は、ジャパンドローン2018のオープンステージで、会長の春原久徳氏が「ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは」と題する講演を行った。


旭川でスマート農業シンポジウムを開催(4)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(4)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。後半のパネルディスカッションには、上川農業改良普及センターの近藤睦氏が、データの利活用の可能性について触れた。


旭川でスマート農業シンポジウムを開催(3)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(3)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。後半は、代表理事の春原久徳会長がモデレーターを務めたパネルディスカッションが行われた。


旭川でスマート農業シンポジウムを開催(2)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(2)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。特別講演に続いて、田上利博事務局長が登壇し、ドローンを活用した精密農業の成果を報告した。


旭川でスマート農業シンポジウムを開催(1)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(1)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。代表理事の春原久徳会長の特別講演や、農業生産者に研究機関の研究員などがパネルディスカッションに参加し、日本の農業とドローンに関する熱い議論が交わされた。


最新の投稿


【国際ドローン展】パワフルな国産オリジナルドローンを開発する石川エナジーリサーチ

【国際ドローン展】パワフルな国産オリジナルドローンを開発する石川エナジーリサーチ

ドローンの開発・製造・操作技術などの最新テクノロジーを一堂に紹介する専門展示会の「第5回国際ドローン展」が4月17日から19日の3日間、千葉県の幕張メッセで開幕した。点検・メンテナンス、物流・輸送、警備・監視、災害対応、測量、撮影、農業など多岐にわたる産業分野のドローン関連企業が約40社が出展した。


迫力ある空撮映像を実現するFlying-Cam社(米国)のヘリコプター型ドローン

迫力ある空撮映像を実現するFlying-Cam社(米国)のヘリコプター型ドローン

Game of ThronesやMission Impossible 6で迫力ある空撮映像を実現している制作現場では、30年以上のキャリアがあるFlying-Cam社(米国)のヘリコプター型ドローンが活躍している。


【国際ドローン展】SkyLinkが最新のドローン測量ソリューションを展示

【国際ドローン展】SkyLinkが最新のドローン測量ソリューションを展示

ドローンの開発・製造・操作技術などの最新テクノロジーを一堂に紹介する専門展示会の「第5回国際ドローン展」が4月17日から19日の3日間、千葉県の幕張メッセで開幕した。点検・メンテナンス、物流・輸送、警備・監視、災害対応、測量、撮影、農業など多岐にわたる産業分野のドローン関連企業が約40社が出展した。


【国際ドローン展】エアロセンス、4K映像を非圧縮、高画質でリアルタイム伝送する有線ドローンシステム「AEROBO ON AIR」

【国際ドローン展】エアロセンス、4K映像を非圧縮、高画質でリアルタイム伝送する有線ドローンシステム「AEROBO ON AIR」

ドローンの開発・製造・操作技術などの最新テクノロジーを一堂に紹介する専門展示会の「第5回国際ドローン展」が4月17日から19日の3日間、千葉県の幕張メッセで開幕した。点検・メンテナンス、物流・輸送、警備・監視、災害対応、測量、撮影、農業など多岐にわたる産業分野のドローン関連企業が約40社が出展した。


テラドローンインドネシア、国営電力会社PLNの長距離送電線点検の効率化に成功

テラドローンインドネシア、国営電力会社PLNの長距離送電線点検の効率化に成功

テラドローンインドネシアは、 (一財)電力中央研究所(東京都千代田区)の協力で、インドネシアにおける ドローンを使用した送電線点検の実証実験を実施したと発表した。