ドローンタイムズセミナー ドローンが切り開く日本の地方創生(2)

ドローンタイムズセミナー ドローンが切り開く日本の地方創生(2)

ドローンタイムズは、昨年12月に2回目となるセミナーを開催した。基調講演に続く「ドローン前提社会」講演では、慶應義塾大学総合政策学部教授でドローン社会共創コンソーシアム代表の古谷知之 氏が登壇し、コンソーシアムの活動や、第四次産業革命の生き残り戦略などを語った。


【講演】ドローン前提社会

 ドローン社会共創コンソーシアムは、教育・研究・社会応用という3つの領域を柱として、ドローンが前提となる社会の実現に向けた活動を展開している。2016年12月現在で参加している企業や自治体は15団体に及び、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスの約20の研究室と30名以上の研究者が、200機以上のドローンを保有している。同コンソーシアムでは、シンポジウムや勉強会などを定期的に開催し、学部や大学院でのドローン人材の育成にも取り組んでいる。古谷教授は「我々のキャンパスは、DID外という立地特性にあり、国家戦略特区とロボット特区とライフイノベーション特区という3つの特区になっています。この立地条件を活かして、コンソーシアムを立ち上げました」と設立の背景を話す。

慶應義塾大学総合政策学部教授でドローン社会共創コンソーシアム代表の古谷知之氏

 同コンソーシアムでは、それぞれの研究領域で取り組んでいる課題を共有して、新たな社会形成を前提とした実証実験や包括的な議論を通して、ドローン前提社会の実現に貢献していく。古谷教授は「国の成長戦略とか、規制改革や経済の再生とかにも、楔を打ち込んで制度の再設計をしていこう」と考えている。また、地方創生の足かせとなっているのが、労働力人口の減少にあると指摘する。2060年に不足すると予測されている1000〜1500万人の労働力人口の不足や労働生産性の低下を「何でどのように転換するかの中長期戦略が必要で、間違いなくロボットやドローンやIoTにAIが必須になる」と提言する。そして「ドローンは、さまざまな社会課題を解決するための選択肢の一つでしかない」と明言し、「30年後には普通に使われている」とも予測する。
 さらに古谷教授は、福島県の南相馬市立総合病院での取り組みについて触れ、ドローンと自動運転車両を使って、医療物流における病院間や薬局と病院、そして病院と薬局と患者を結ぶための仕組みや課題についても紹介した。講演の最後には、緩和すべき規制と整備すべき制度について提唱し、第4次産業革命の生き残り戦略にも言及した。古谷教授は「過去の産業革命でも、日本は特にイニシアティブをとってはいない。市場をどのように拡大して、ユーザーを増やすのか。日本では、ドローンを使う人をどうやって増やすのかを考え、標準化などの面倒なことは他の国に任せて、市場拡大に貢献すべきだ」と指摘した。

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