ドローンタイムズセミナー ドローンが切り開く日本の地方創生(3)

ドローンタイムズセミナー ドローンが切り開く日本の地方創生(3)

地方創生をテーマにしたドローンタイムズのセミナーに、内閣府地方創生推進事務局 審議官 藤原豊氏が登壇し、「『国家戦略特区』におけるドローンの技術実証」について講演した。藤原氏は、岩盤規制の改革に挑む国家戦略とドローンによる地方創生の取り組みについて語った。


【講演】「国家戦略特区」におけるドローンの技術実証

 「国家戦略特区」は、安倍政権によって特区の仕組みがバージョンアップされた、と藤原氏は切りだす。医療や農業や教育など、岩盤規制の改革に向けた国家戦略として、三年前に特区法が成立し、具体的なニーズのあるところを中心に、現在は10箇所が特区に指定されている。藤原氏は「特区に指定されている10箇所は、日本の経済活動の約6割を占める地域です。特区による一国二制度により、日本全体の半分以上が元気になる」と話す。その特区の中で、ドローンなどの先端技術の活用に取り組んでいるのが、秋田県の仙北市と千葉県の千葉市になる。「仙北市では、去年の夏から10km四方の国有林で、遭難者の捜索などさまざまな実証実験をスタートしました」と藤原氏。一方の千葉市では、先進的な取り組みに理解者が多い幕張新都心を中心に、ドローンを活用したマンションへの配送などを目指した実証実験に取り組んでいる。

内閣府地方創生推進事務局 審議官の藤原豊氏

 「国家戦略特区のポイントは、特区担当大臣である『国』と、自治体の『首長』、そして民間の3者による『推進役』で構成される『区域会議』で、互いが台頭の立場で決定できる点にあります。また、『特区諮問会議』では、総理の前で規制担当大臣を含めたオープンな場で、最終的には総理のリーダーシップで決断します」と岩盤規制を改革するための取り組みについて藤原氏は説明する。区域会議や特区諮問会議の成果として、仙北市では平成27年にスキー場でのデモンストレーションを、平成28年には国際ドローン協議会を開催している。千葉市でも、平成28年4月に商業施設や地上から、公園や10階建てのマンションに、ワインや薬を輸送するデモンストレーションを都市部で初めて行った。さらに平成28年11月には、稲毛海浜公園でモバイル通信の電波を利用してドローンの自律飛行による商品の空輸も行っている。
 「稲毛海岸での実証実験では、700mの飛行のために消防署や漁業者など20箇所の調整が必要でした。それでも、首長に『リスクを取ってもやろう』という覚悟があると、ドローンの実証実験は実現します。こうしたパブリックスペースでの実証実験は、沢山やればやるほど、さまざまなデータが収集されて、社会実装も進んでいきます。そのためには、特区制度を活用して、さらなる規制緩和を追求していく必要があります」と藤原氏は提唱する。

この記事のライター

関連する投稿


千葉市が、民間企業向けの「ドローンフィールド」を開設 ~市所有施設を活用し、ドローン飛行場所を無償提供

千葉市が、民間企業向けの「ドローンフィールド」を開設 ~市所有施設を活用し、ドローン飛行場所を無償提供

千葉市は市内企業の技術開発及び市外企業の本市への立地を促進するため、ドローンの飛行場所「ドローンフィールド」を開設すると発表した。


入門者限定! 「ドローンテクニカルチャレンジin仙北市」の熱気を現地レポート 学生の部の優勝は国学館高校、準優勝は青山学院大

入門者限定! 「ドローンテクニカルチャレンジin仙北市」の熱気を現地レポート 学生の部の優勝は国学館高校、準優勝は青山学院大

ドローン入門者が腕を競う「第1回ドローンテクニカルチャレンジin仙北市」が7月22日、23日に、秋田県立田沢湖スポーツセンターで行われました。22日には学生の部の競技が行われ、ドローン歴2年未満の真剣勝負に、会場は一体となって応援しました。選手、運営、会場が一体となって白熱した現地のようすをレポートします。


災害現場を想定し、安全なドローン操縦能力を競う「ドローンテクニカルチャレンジ in 秋田県仙北市」を7月開催

災害現場を想定し、安全なドローン操縦能力を競う「ドローンテクニカルチャレンジ in 秋田県仙北市」を7月開催

熊による被害が後を絶たない秋田県仙北市で、その現場を想定したドローンによる捜索・救助活動をミッションとする「第1回ドローンテクニカルチャレンジ in 秋田県仙北市」を7月22,23日に開催する。参加者は初心者(運用暦2年未満)を対象にする。


Japan Drone 2017速報・国内ドローン産業を支援する産官学の取り組み

Japan Drone 2017速報・国内ドローン産業を支援する産官学の取り組み

Japan Drone 2017の国際展示会には、国内のドローン産業を支援するための行政や組織も参加していた。その中から、注目された国産ドローンを紹介する。


ドローンコラム:ドローン実用化に向け進む実証実験、一方課題も浮上

ドローンコラム:ドローン実用化に向け進む実証実験、一方課題も浮上

ドローンの利活用に向け国家戦略特区などを中心に様々な実証実験が活発に行われているが、一方実験を行うにあたり飛行規制によってドローンを臨機応変に運用できないという課題も浮かび上がた。


最新の投稿


御岳山と奥多摩の紅葉・幻の集落・ドローン4K空撮

御岳山と奥多摩の紅葉・幻の集落・ドローン4K空撮

こんな絶景が東京にあるなんて! 


セキドが2018年の新ビジョンを発表 ドローンの安全運用進めるSUSCの推進と虎ノ門エリアに新拠点を開設

セキドが2018年の新ビジョンを発表 ドローンの安全運用進めるSUSCの推進と虎ノ門エリアに新拠点を開設

株式会社セキド(東京都国立市)は第1回目となるパートナーカンファレンスを12月11日、都内のホテルで開催し、同社代表取締役の大下貴之氏が2018年に向けた同社の新たなビジョンを発表した。


大阪芸術大学写真学科がドローンの撮影技術を習得できる授業導入 2018年4月から

大阪芸術大学写真学科がドローンの撮影技術を習得できる授業導入 2018年4月から

大阪芸術大学がドローンの操縦技能と空撮技術が習得できる授業を導入、来春開講する。講師にはドローン撮影の第一人者で一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)代表理事の坂口博紀氏が写真学科3年生を対象に特別授業を実施する。


香川高専がドローン水難救助システムを展示 SEMICON JAPAN

香川高専がドローン水難救助システムを展示 SEMICON JAPAN

 東京ビッグサイトで開催中(12月13~15日)の、国内外の半導体製造装置、材料が集まる展示会SEMICON JAPANの、高等専門学校の展示エリアで、「マルチコプターを活用した水難救助シシテム」を掲げ、人だかりができているブースがあった。香川高等専門学校(香川県)のブースだ。


半導体展示会SEMICON Japanに登場したドローン特別展示

半導体展示会SEMICON Japanに登場したドローン特別展示

東京ビッグサイトで2017年12月13日から15日までの3日間にわたって開催されたマイクロエレクトロニクス国際展示会のSEMICON Japan 2017に、ドローン・ジャパンが企画したドローン特別展示が開設された。