ドローンタイムズセミナー ドローンが切り開く日本の地方創生(4)

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講演の最後に、日本山岳救助機構合同会社の若村勝昭代表が登壇し、「ドローンによる山岳遭難捜査技術開発」について語った。同社は、会員の要請による救助隊派遣の斡旋や用具貸出を中心に、遭難防止のための講習会や訓練にコンサルティングなどの業務を行っている。


【講演】 ドローンによる山岳遭難捜査技術開発

 日本山岳救助機構合同会社は、会員が山岳で遭難したときに、330万円を限度として捜索救助費用を補てんしている。山岳遭難は年間の発生件数が約2500件を越え、遭難者の数も約3000名を越えている。そのうち約40%は、行方不明になっている。一般的な遭難救助のプロセスでは、本人や家族からの通報によって、所轄の警察や消防や自衛隊が、山麓から徒歩またはヘリで出動する。この場合には、捜索救助にかかる費用は無償となるが、警察からの委託によって地元の遭難対策協議会の捜索隊が出動すると、その費用は本人や家族の負担となる。さらに民間の捜索隊による捜索活動に及べば、日当や交通費や民間ヘリなどは、すべて有償となる。こうした民間による捜索救助にかかる費用は、数百万円の負担になるという。若村氏は「山岳遭難における行方不明では、7年間は死亡と認められず、勤務先や学校など社会との関わり、銀行預金の封鎖にローン返済や年金の扱い、さらには保険の支払いに、捜索活動の持続による費用の増加など、多大な負担が伴います。こうした負担を少しでも軽減するために、ドローンによる捜索活動の技術開発に取り組みました」と説明する。

日本山岳救助機構合同会社の若村勝昭代表

 ドローンを使った山岳遭難者を捜索するための技術開発では、ドローンによる俯瞰映像の有効性や、操作方法に操縦者の安全確保や他の捜索機器との連携などを行ったという。平成27年5月から翌年の5月まで、谷川岳や奥秩父の氷壁などで、ドローンとヤマモリという電波発信機を使い実験を行った。その結果「ドローンを使うと広い範囲をきわめて短時間に捜索できるので、人員と時間とエネルギーの節約になります。また岩場や尾根筋に落石や雪崩の危険がある箇所でも、空中から遭難者を発見できるので、2次遭難の防止にもなります。さらに『ここには居ない』という場所を確認できるおかげで、より可能性のある場所へ捜索の人員を集中できます」と若村氏。
 実験では、ヤマモリという電波探索機の親機をドローンに取り付けて、カメラで親機の画面を確認しながら捜索できるかも検証したという。若村氏は「ヤマモリとドローンを組み合わせると、より遠くからビーコンの電波を確認できるので、発見が容易になります。ドローンによる捜索方法の多様化により、捜索隊員の士気も高揚し、帰属意識も高まります。今後は、ドローンの耐風性や防水性に、バッテリーの低温対策、赤外線カメラやスピーカーの搭載、そして物資投下など、さらなる進化に期待しています」と語った。

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